あらすじ
ブリジットの娘・アメリを救うため、分断された各地をネットワークで繋ぎながらサムは道なき道を行くが、絶滅に身を任せようとするヒッグスの妨害や謎の男・クリフの幻影に苦しめられていた。なぜ自分は死者に対抗できるのか。デス・ストランディングとは何なのか。アメリの救出を果たした彼は、受け入れがたい世界の真実を知る。ゲーム『DEATH STRANDING』完全ノベライズ!
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Posted by ブクログ
なかまくらです。
「デス・ストランディング」読みました。
新潮文庫で上下巻。ゲームのノベライズなのですが、
ゲームが面白くて、ノベライズも読もう、と思い立ったのでした。
地球の生命の歴史の中で幾度となく繰り返されてきた大量絶滅に対して、
大胆な解釈を加えて描き出した傑作でした。
絶滅は消滅を免れるための生命の手段である。
宇宙の誕生の際に、対消滅ですべて消えてしまうはずだった物質は、
少しだけ多かった物質のほうが残り、現在の宇宙を構成している。
大量絶滅が起こるとき、その種を絶滅させようとする作用みたいなのが働く。
それが起こると、その種に対する対消滅体が生じるようになる。
その対消滅体との衝突で物質ごとなくなってしまわないように、その種は絶滅を選択する。
そして、これまで起こってきた5回の大量絶滅(ビッグファイブ)の謎を解き明かしながら、
6度目の大量絶滅(人間の対消滅体の出現)にどう立ち向かっていくか・・・。
みたいなお話でした。
ノベライズ版では、大量絶滅への解釈や、ゲームを1度プレイしただけでは、
掴み切れなかった、世界観の詳細や、登場人物たちの過去やそれぞれの場面での心情、
主人公サムの出生についてなど、より味わい深くなりました。
なかなか面白かったです。
おわり。
Posted by ブクログ
圧巻の物語は、小説でも健在だった。
【以下、ネタバレあり】
本作は、PS4ゲーム「Death Stranding」のノベライズ小説。
ゲームをプレイしてから読んだ。
ゲームをプレイした時は、あまりに重厚なストーリーに、自分の理解が追いつかず、消化不良になってしまっていた。エンディングで泣けなかったのが悔しくて、小説でもう一度物語を楽しむことにした。
小説版は、登場人物の心理描写が一層丁寧似されていて、物語への没入を随分助けてくれた。
小説で読んでも、物語をきちんと消化できたとはいえない。
しかし、ゲームをプレイした時よりは随分理解が進み、終盤、胸に迫るものがあった。
クリフが守ろうとし、アメリとブリジットが命を繋いだサムが、アメリとの繋がりを失い、世界を延命させ、UCAの人々と繋がる。しかし、最後には、UCAとの繋がりを絶ち、ルーとの繋がりを、未来との繋がりを選ぶ。
彼は、クリフとリサから繋がれた命のバトンを、次につなぐことを選んだ。
この物語が、読者の胸に色々な想いを去来させる。
人は寄り添って生きるもの。
一つの繋がりを失っても、また新たな繋がりが得られる。
ときには既にある繋がりを絶ってまでも掴むべき未来がある。
Tomorrow is in your hands.
本作に込められたこのメッセージの意味が、ようやく少しだけ分かった気がする。
Posted by ブクログ
ゲーム「デス・ストランディング」のノベライズ。
特有の名詞等がかなり多いので、ゲーム未プレイで読むと何を言っているのかわからないだろう。また下巻後半は、場面が飛ぶことが多く、今どういうシーンか分かりにくい部分もあった。一方で、ゲームをやったことがある人であれば、用語やストーリーも経験済みであることから、すんなり読めると思われる。むしろ、ムービーなどの記憶が残っていれば、シーンのイメージがしやすく読みやすいとも思う。
ゲームと異なる部分として、サムの心情描写や、イゴール兄弟、ヒッグス、その他主要メンバーの内情等が記述されており、そこを知ることができたのは良かった。基本的にはサム目線であるが、群像劇のような展開もされている。以上より、基本的にはゲームの補完、または再読(?)として読むのが良いだろう。
また、このゲームのコンセプトである「配達する」道中の描写はあまり多くない。この点については、要所要所では描かれていたし、多ければ冗長にもなるため良い塩梅だと感じた。本作はストーリーが難しいので、こう言った部分が長いと本筋を忘れる可能性もあったが、問題なく読むことができた。
インターネットが発達し、誰もが常に「誰か」とつながっている現代において、「つながり」をテーマにした本作は、接触恐怖症であるサムが他者との「つながり」を築いていく過程において、さまざまな大切なことを伝えているように感じた。
デススト2も控えている中で、改めて読み直すことができて良かった。
Posted by ブクログ
ある日アメリカで突然幾つもの爆発が起こり政府が壊滅状態に。
人が死んだ際しっかり焼却しないとそのまま死体が核爆発の様な状態を起こす。大地には時雨と言う浴びると時間が進んでしまう雨が降り、核爆発状態になった死体は魂がいつまでもこの世とあの世の狭間を彷徨い人間を襲う。
何故死者の国と生者の国が繋がってしまったのか。
アメリカを再建出来るのか…
設定はめっちゃ面白い。
ただ後半に行けば行くほど同じ説明が何度も繰返されている感があり、どうしてもくどいと感じてしまう。
きっとこの本は悪魔でゲームのデスストの補足小説と言う感じで、小説として読むよりかはゲームをやって、ゲームで不足と感じる部分を補う感じ。映画とかにしたら本当に面白いと思う。
小説として欲を言うならもっと長くしていいから一人一人の心情と場面描写をもっと深く書き込まれていたらより感情移入して面白かったと思う。