あらすじ
ドイツ、首都ベルリン。ベルリンといえば、壁、ビール、ソーセージ。だけじゃなくって、様々な文化、様々な人々…、パリや東京とも並ぶ国際都市だ。そんな街で僕は…、僕は…、あんまり何もしていない! ベルリンという街に「なんとなく」で移住してしまった僕は、派手な観光も、胸躍る冒険もなく、ただ毎日を平凡に過ごしている。そんな僕を人はいつも「うわの空」だというのだけれど、僕なりに、些細だけれども大切なものを集めている。 ベルリンでぼんやり生きる僕の生活の記録と、街から得られる空想と、平凡な毎日ゆえに楽しめる、ちょっと小さな冒険の書。
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絵に味があって良い。
淡々としたリズムで描かるベルリンでの暮らしには、不思議や楽しみがあり、少し哀愁も感じられ、他にない作風な、海外生活漫画。
Posted by ブクログ
自分の中に本来あったはずの感覚を思い出させてくれました。
シールの謎が面白かったし、知的なのに遠回りさせる部分や、この街の知らない人への距離の取り方、またその有り方がシールにも象徴されているように感じました。
ドイツやベルリンには行ったことがありませんが、海外に暮らした事もある自分としては、共感する部分が確かにあり、好きとかそういう問題ではなく、資本主義的には負の部分や、先進的な部分、様々な価値観を、色々ありながらも内包できる「ぬるさ」が今の所、作者がそこに暮らす理由なのだと、伝えてくれています。
Posted by ブクログ
独特な登場人物の造形には好みがあるかもしれない。
ベルリンで暮らしていろいろと体験した、考えたことが綴られていく。
ここ数年、ヨーロッパの街も時間の流れが速くなってきているので実際、行ってみたら、こん感じじゃなくなっているんだろうな。
全3巻の1
Posted by ブクログ
高円寺、蟹ブックスという本屋さんのアイコンである蟹さんを描かれた香山さんの作品。蟹ブックスに置いてあったのでまとめ買い。ベルリンを知り、魅力を感じ、香山さんや香山さんを通して知るベルリンに生きる人々のものごとの考え方や感覚に共感でき、そこから派生する感情や考えさせられるテーマもあり、なかなか良いなぁと思いながら、楽しんだ黄色の表紙。次は赤色の表紙。
Posted by ブクログ
ささやかだけれどやさしい日常。ほんのりふしぎなタッチで描く自由気ままなドイツ移住記。ベルリンってとてもよさそうなところだな。自分の生き方や社会でのあり方。考えさせられる。不思議にキャラクター化した登場人物も心地よし。
Posted by ブクログ
Twitterで作者の垢から知った漫画ですが、穏やかじゃないことがあまりに多いこの年に読めて本当に良かったです。心にゆとりができました。もともとドイツ語を嗜んでいますが、ドイツへの憧憬が更に強くなりました。おすすめです。
Posted by ブクログ
ベルリンに移住している香山哲さんの漫画。
ふとしたきっかけで知って本屋で久しぶりに本を買った。
香山さんの世界の見方が素敵で、世界に目をもっと向けたいと思った。時間を置いてまたじっくり読みたい本。
Posted by ブクログ
小さい思い、小さい気づき、小さい痛みを大切にして生きる著者のベルリン滞在ルポ漫画。
著者の繊細な感性に触れて、自らの感性も刺激される。
何度も読み返したい。
Posted by ブクログ
何度も読み返す、大好きなコミック。香山さんのあたたかくも、力強いまなざしが感じられる。2021年ブックサンタ寄贈本。大人はもちろん、多くのこどもたちにも読んでほしい一冊。
Posted by ブクログ
どいつにしばらく住んでたことがあって、ノスタルジックな気持ちにさせられた
ドイツのこういう、移民が入り混じっていて、日本よりなんだか汚くて雑多なんだけど、温厚な雰囲気みたいなのが魅力だと思う
Posted by ブクログ
作者目線でみるベルリン像がとても素敵で、移住してみたくなった。時間の流れがゆっくりで、心の余裕がある人が余裕のある行動をすることができて、干渉することもできるし干渉しないことを選ぶこともできる街。
Posted by ブクログ
ベルリンの街は時間流れが遅く、リラックスできる所で自分も行ってみたいなと思いました。
興味や関心がある時に緩くやってみたり、眠い時は寝たりともっと自由に自分勝手な生活を送っていきたいです。
日本にも電話ボックスに本を入れたり、取ったりできる日が来ればいいな
独特の絵柄だが読み易い。
ベルリン在住の著者が、自分の気に入っている事柄を独特の絵柄で書いています。押しつけがましくないので、すんなり読むことができました。絵柄も、いろいろな人種がいるベルリンを紹介するのに向いているんじゃないかと思います。
Posted by ブクログ
ゆるい感じの漫画仕立ての
エッセイで著者は脱力系の
生活を満喫。
だからこそ人種や貧富にとらわれず、損得抜きの人間関係に
みんながアクセスできてほしい、
という強いメッセージを感じた
Posted by ブクログ
(三部作をまとめてレビュー投稿)
どこかで「オススメの漫画!」とあったことがとても記憶に残っていたのと、色々な方面から「どうやらベルリンっていい街らしい」というあやふやだけど確かっぽい噂が漂ってきたのとで、読むなら「今でしょ」と思って、思い切って三部作大人買い(←大袈裟。たった三冊。)
第一作目「ベルリンうわの空」
第二作目「ベルリンうわの空 ウンターグルンド」
第三作目「ベルリンうわの空 ランゲシュランゲ」
作者の香山哲さんのインタビューは検索すればすぐにヒットするので、香山さんのことや、この作品を詳しく知りたい方はそちらを参照いただくとして、私的に、おおまかに説明すると・・・
第1作目は、「自分はこういう気持ちで生活したい」、「こうありたい」、という素直な思いが実現しそうな環境を求めてベルリンに移住してみた香山さんが、「ベルリンって最高かも!」という印象を抱き、丁寧な視点でベルリンという街や、ベルリンでの暮らしについて眺めたことを描いたもの。
第2作目は、ベルリンでの暮らしの中で人とのつながりが広がり、友人たちと地下のテナントに「清潔スペース」という名のシャワーや洗濯機を提供する場所を作り、完ぺきではない社会の中で自分がどうあるべきが、何をやっていくべきか、社会問題や政治についても触れつつ、描いたもの。
第3作目は、もはやベルリンどうこうではなく、ストーリー性もなく、香山さんの内省を読んでいる感じ。香山さんがどんなことを考え、何を大切に生活しているかが描かれている。
「ベルリンのことを知りたい」と思って読みだしたので、そこは正直なところ、充分満たせたというわけではなかったけれど、「オススメ」とあった理由はよくわかった。どこであろうと結局毎日の生活が大切なのは不変なことで、その生活をする「環境」が自分に合うか合わないかを素直に求めて移動できる香山さんはある意味、とても恵まれた人なんだと思う。けれど、謙虚で内省深く、慎ましく静かに穏やかに生活していることが丁寧な表現で伝わってきて、嫌みがない。さらに、自分だけでなく、周りの人々、特に社会的弱者とよばれる人達への大切な視点も忘れていない。それが特に第二作目に表れているんだけれど、シンプルにこういう人が多ければ多いほど、その街は優しくなるんじゃないかと思った。
余談になるけれど、ネットで検索した香山さんのインタビューに以下のような記述があった。
「たとえば日本だと、外にいても自分のカプセルにこもっていやすい空気がありますよね。スマホをずっと見て、他人との交流を遮断することもできますし。でも、ベルリンでは街に出れば「公共の中の自分」という空気が少し強く感じる。信号無視をしないのは自分の安全のためだけじゃなくて、子どもが真似したら危ないから。」
一度しかドイツには行ったことはないし、しかもベルリンではなかったけれど、これ、すごく「あぁ、そういことか」と腹落ちした。私の経験なのだけれど、ドイツで車通りのそんなに多くない通りを渡ろうとしていると、車がすっと当たり前のように止まってくれたことがあった。こちらとしては、そんなに車通りも多くないので、その一台が行ってしまってから渡ろうと思っていたので、とても恐縮してしまった。という感じのことが短い滞在の中で何度かあった。その時は「マナーがいいな」、と単純に思っていたのだけど、上記の香山さんのインタビューで、「そういうことか!」と腑に落ちた。
なんとなくだけれど、日本人(と言ったら主語が大きいけれど)も「恥ずかしがり屋」だとか「シャイ」だとかを言い訳にしないで、そろそろ「社会の中の自分」を意識した行動を取った方がいいのではないかと思った。成熟した社会になるにはそういったことも必要なのでは・・「社会の中の自分」を意識するともっと人とつながるようになると思う。そうすると、例えば「道端で困っている人を見てみるふりする大人、大人が動かないから行動する子ども」みたいな変なことも減るのでは。
と、香山哲さんの漫画から自分なりに考えが広がった。つまり良い漫画だったということだと思う。
Posted by ブクログ
独特で不思議なイラストと、新鮮な海外生活ルポが心地よく混ざり合っていて、楽しく読んだ。
よく躾けられたスーパーの前の犬の描写で、もうベルリンに住みたくなった!
Posted by ブクログ
自分がベルリンに、行くことも、ましてや住むことは無さそうだけど、住んでいる街を少しでも住みやすくなるように努力することはできるのではないか。
香山さんの優しい視点、自分も欲しい。
Posted by ブクログ
コミック版ドイツ在住エッセイ。
著者の優しい目線で、ベルリンを観察・考察している点が
安心して読んでいられた。
一風変わったフレンドリーな画風も個人的に好きだった。
第2弾も読みたい。
Posted by ブクログ
不思議な社会派?漫画でした。
日本との比較、いろいろと考えさせられる興味深い文化や社会を垣間見れました。
日本についても、また著者の視点で書いてもらいたいです。
もう一つのウンターグルンドも読んでみます!
Posted by ブクログ
ある友人に薦められて本を借り、読んだ。僕が好きそう、ということで薦めてくれた。毎日仕事のタスクに追われて時間を過ごすのではなく、日々の小さな工夫や自分の感覚に素直に、丁寧に「生活する」という価値観が僕の目指すそれとあっているかもしれないと思ったようだ。
まとめると、東京の慌ただしく、圧倒的睡眠不足で、人生=仕事•生産性、みたいな生活に対して、アンチテーゼを呈するライフスタイルを紹介した漫画と言える気がする。中でも作者が実際に経験しているベルリンでの生活が描かれている。東京にはない〇〇、と比較するように、ベルリンに移住した作者が街で気づいたことや感じたことがベースに描かれている。少々ベルリンが理想郷化されすぎているように感じる点は気になるが、面白いライフスタイルに触れることができたと思う。特に新卒社会人生活がもうすぐ始まる僕にとって、「これからどんなライフスタイルで生きていきたいのか」を改めて考える素晴らしい機会になった。
東京との比較で作者が上げていたベルリンの特徴が面白い。
僕はベルリンを訪問したことがあったので、すでに知っていることもたくさんあった。例えば、電車の駅には改札がないとか、普段から社会課題や政治に高い関心のある人々が多いとか、街中には歴史を感じる仕掛けがたくさんされているとか、そういったことだ。
一方で新たに学ぶことのできた特徴もあった。電話ボックスの中に本がたくさんあって、要らなくなった本を捨てたり、面白そうな本を借りたりもらったりしてよいというのがその一例だ。リソースをコミュニティでシェアする意識が当たり前になっているのかなと感じた。自分ひとりで働き、金を稼ぎ、ものを購入し、消費し、捨てるのではなく、誰かが購入して要らなくなったものを他の知らない誰かが使うサイクルがうまく作られていると感じた。
最近メルカリなどで古本を売ったり買ったりしているので、その良さが少しわかる。たまたま出会う本、たまたまそこに居合わせる人との出会いが、ベルリンに住む人々の生活のなかにはきちんとスペースを得ることができる。東京ではあまりないことだ。
今は自分が関心のあることに時間を使うのが楽しく、友達との会話の中でたまたまある発見に感動することもある。しかし、知らない人と知らない場所でたまたま出会って話す、みたいなことはまだ自分の人生にはない経験だ。お金や仕事のためのスキル獲得に目的意識なく迫られ、そうした日々のちいさな出会いや工夫への気付きを忘れないように社会人生活を送っていきたい。たまにはキャリア的に意味がないことをなんとなくしよう。地元の温泉に行ったり、youtubeのオススメを眺めたり、演劇鑑賞したり、公園を散歩したり。仕事は人生の一部であり、自分が選択した時間の使い方である。辞めたいときに辞め、やりたいときにやりたいことをやる。それが自分の人生の時間の使い方の原則だ。
Posted by ブクログ
ベルリンで生活している著者の日常。なんだけどドイツの文化や社会問題に触れることができる。ベルリンに約8000個あるというつまづき石、ナチスドイツの時代に強制収容所に連行された人が、その建物に住んでいたという記録。足元といえば、以前、ベルリン自由大学に空っぽの本棚が地中に展示されていて、それを地面のガラス越しに見たことがあった。ベルリンでは足元もじっくり見ながら散策するのが良いようだ。
Posted by ブクログ
「ベルリンうわの空」読む。ダンナの本棚から借りた。全ページ2色刷。キャラクターが独特で可愛い。ベルリンという街に対して”いつか冷める恋なのか、長く続く愛なのか わからないから見極めようとしている P12”というのがこの漫画の本質を表してると思う。つまづき石(P70)が良いアイデアだと思う。忘れてはいけないことだ。
新聞作り(P127)私も10歳の時にやっていた。絵から文から自分で考えて家族のニュースや友達との面白いエピソード、読んだ本の感想など載せる。叔父夫婦も巻き込んで1年くらい続けたと思う。母が捨ててしまったので(むごい)一枚も残っていない。
Posted by ブクログ
“弱肉強食のルールを望まない人たちの生き方が守られていたり、すべての人にフェアな世の中であろうとする社会が自分は好きなのだと思う。そういう街は「損得や競争は重要であると同時に、人間社会のほんの一部でしかない」ときちんと表明してくれている。”
Posted by ブクログ
ラジオで紹介されていてなんとなく存在は知っていた香山さん。
読んでみて、
ベルリンのpanpanyaだ! と。
安易に言われたら嫌がられるかもしれないが、思っちゃったんだからしょうがない(JUNK 爆笑問題カーボーイ)。
共通の先祖はつげ義春かなと思っていたら、作者本人のツイッターで、
「絵を手伝ってもらうとき、「つげ(義春)1歩手前ですか?」「2歩か3歩手前でお願いします」みたいな感じだった」
ふふふ。
それにしてもこんな生活してみたいな。
というのはベルリンに住みたいということではなくて、身の回りの生活に着目する眼を持ちたいということ。
今の自分ときたらゾンビのようだし。
もちろんインプットもアウトプットもかなり努力された結果の作品なんだろうけれど。
お裾分けをいただこう。