あらすじ
ソニアはある日、玄関前で出会った今にも倒れそうな青年を家へ招き入れた。善意に満ちた孤独な中年女性の心の隙間に入りこむ美しく不気味な侵入者――“奇妙な味”の名作「銀の仮面」、大都会の暗闇にひそむ獣の恐怖を描く「虎」、ゴースト・ストーリーの佳品「雪」「ちいさな幽霊」、内気な少年に訪れたクリスマスの奇蹟の物語「奇術師」など、精妙なタッチで不安と恐怖の物語を織り上げる名匠ヒュー・ウォルポールの傑作集。/【収録作】Ⅰ「銀の仮面」「敵」「死の恐怖」「中国の馬」「ルビー色のグラス」「トーランド家の長老」/Ⅱ「みずうみ」「海辺の不気味な出来事」「虎」「雪」「ちいさな幽霊」/Ⅲ「ターンヘルム」「奇術師」/編訳者あとがき/解説=千街晶之
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Posted by ブクログ
表題作のみ読んだ。
偽善に生きる時ってそれでかすかに気持ちよくなったりするよね。特にいかにひどい境遇の人であるかとか、美しい人に対して偽善をする時の気持ちよさ。なんなんだろうかあれは。優越感なのかな。
そういう自分にも確かに存在する愚かな感情を肉ごと抉り取られるような感覚になった。
海外文学はなんとなく読みづらいと思うタイプなんだけども、文体はそれほど固くないしなにより短編なので気負わずに読めていい。
Posted by ブクログ
やはり『銀の仮面』が秀逸。そして裏『銀の仮面』とも言える『トーランド家の長老』も面白かった。
思えばデルフィーヌ・ド・ヴィガンの『デルフィーヌの友情』も『銀の仮面』の系譜だよね。
Posted by ブクログ
冒頭に収録されている表題作のインパクトがあまりに強く、他の作品の印象がかすんでしまうのが残念だなぁ…と思っていたら、ラストの「奇術師」がなんともいい話。ボーナストラックとして収録した訳者に敬意を表します。