あらすじ
むぐむぐ、むしゃむしゃ、むふふのふ。
「美味しい」って楽しくて嬉しくて、
ちょっと切ない。
大好きな食べ物のことを考えると、私のお腹はきゅるると鳴り、
耳の根っこがきゅうっと痺れ、胸の奥がぎゅっと疼く。
書きたいことは揚げたてのメンチカツの肉汁のごとく、
はたまたもぎたての桃の果汁のように、
次から次へと溢れ出してくるのだった。
女優でモデルの菊池亜希子の子ども時代から母になった現在までの
「食」にまつわるエッセイ集! 著者によるイラストも満載。
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階段裏でこっそり食べたお母さんの大きなおにぎり。中学の時、好きな人と下校途中で食べたあったかい肉まん。校則を破って、恋バナを咲かせながら食べた食堂のカツ丼。「がんばってね」と母からの紙切れが添えられた涙味のカップアイス。モデルだけど、どうしても食べたかったカロリー満載のスティックパン。役者の先輩に連れて行ってもらった居酒屋の衝撃的なハムカツ。修羅場で疲労困憊の時に食べるわたしの「仙豆」。ハロコン帰りのお出汁が心に沁みるうどん。「冷めちゃうから早く!」と寝ぼけまなこの夫を急かす朝食……などなど。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
あっこさんの文章、つくづく好きだなぁ。好きなものが多そうで、けれどもこだわりは強そうなエピソードに心が落ち着きます。面白かった。食べものエッセイ好きだ。
子どもの頃のエピソードから、進学とお仕事で上京して、ご結婚されて娘さんが生まれて…と、人生の変遷がうかがえるのも良いです。楽しい事ばかりじゃなくて、チクリとした思い出や、育児奮闘記ももの凄いけど、まっすぐで眩しい。イラストもかわいい。
ベランダラーメンの話なんだっけ…と思いました。カルテットか!!
住んでる地域から電車で何駅かのとこには、メリーゴーラウンドのあるミスドがあります。動いてるやつのはず…まだ行ったことなかったから今度行ってみよう。アジアのカレーもまんまと食べたくなりました。
Posted by ブクログ
お腹が鳴るのが恥ずかしくてお母さんが握ってくれたおにぎりを休み時間にこっそり食べたり、おばあちゃんの作るミートソースをお母さんへの忠誠心から拒否をし、大して美味しくもない醤油かけパスタを食べ続けたり(後に、そのレシピがお母さんがおばあちゃんへ教えたものだと知るというオチも素晴らしい!)そんな誰もが共感できる食べ物に関するエピソードが、彼女らしい親しみやすい文章で書かれています。エピソード後に現れる、菊池亜希子さんファンならお馴染みのイラストも可愛くて癒される。
一日の終わりに読んで「明日は何食べようかなー」と目覚めた後の食事をワクワクと考えたくなる、そんな「食いしん坊」という言葉がピッタリな本です