【感想・ネタバレ】ダブルエージェント 明智光秀のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月18日

光秀が信長に謀反を起こした理由については、不仲説や秀吉陰謀説など様々な説が提示されています。
その中でこの本では、茶の核を含めた光秀の感性を中心に据えており、面白かった。
また、あれだけ優れた軍略家である光秀が、なぜあれほど無謀な戦を仕掛けたのかについても光秀の美意識が徹底されており、完璧主義の光秀...続きを読むらしさを感じることができた。

史実と創作が混じっているのだとは思いますが、エピローグも救われる内容になっています。

現代の会社員としての働き方に当てはめられているところもあります。すごいとは思うけど、なかなかそこまではできないなぁ…。

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Posted by ブクログ 2022年01月02日

織田信長社長のところに中堅キャリア官僚の明智光秀が志願・出向して活躍しているような見方で語られているのが入り込みやすい。日付がキッチリ書かれているのでスピード感がわかりやすく、季節・気候がイメージできる。本能寺の変の動機が、よく言われるような恨みつらみ要素を一切排除して、天皇家の存続と、それがなけれ...続きを読むば成り立たない平和な社会と茶の湯の美の追求というところに置かれているのが新しい。本能寺の変の後のエピローグは「そういう考え方が成り立つのか?」と思考の回転数が一気に上がった。本当にそうであったらいいな、と思わせる。

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Posted by ブクログ 2020年03月10日

今年の大河ドラマが明智光秀ということで、関連書籍も多く出版される中、敢えてこの1冊を私が選んだ理由は著者の波多野氏の経歴です。波多野氏は当初、国際金融の最前線で資産運用を担当したり、大手証券会社のファンドマネージャーを経て作家となった異色の経歴の持ち主です。
明智光秀が織田信長の家臣として取り立てら...続きを読むれたのは、他の重臣よりも遅く、それにも関わらず猛烈なスピードで出世し、最後には秀吉と並ぶほどの地位を得ました。この特異ともいえる出世を現代に例えて波多野氏は”50歳前後で財閥企業に中途採用で課長待遇で入社して、3年後に筆頭取締役に昇進するようなもの”と表現されています。
信長が極めて合理主義的な人物であっただけに、光秀の出世の速さには、合理主義者信長を満足させる要素があったはずという観点で、光秀の行動を顧客満足、危機管理、情報管理、組織における個人の振る舞い方、等々の現代の会社組織で重要とされるような視点から描いておられます。
明智光秀と言えば、信長に背いて、すぐに秀吉に殺されるというヒールのようなイメージしかありませんでした。しかし本書を読む限り、武芸だけでなく茶道や和歌を嗜み、まさに文武両道でかつ主君の思いを汲み取って行動できる極めて優秀な武将であったことが分かります。その光秀が何故、信長に背くことを決意したのか。その合理的な裏付けが本書の後半部分で描かれています。
大河ドラマの予習として、大変参考なりました。余談ですが、著者の波多野氏は大阪教育大学付属高等学校平野校舎卒業です。母校が輩出した作家、というだけでも興味がそそられました。

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Posted by ブクログ 2022年01月22日

読む前からおそらく内容が予想できるけどねえ、と、わかりつつ、ついつい手に取ってしまった本。いろいろな著者によるこの手の本を読むことで、例えば明智光秀について自分が抱いてるイメージが、思い通りに補強されて、頭は快感を感じることになる、そういう読書だとわかってはいる。
無駄な読書というわけではない。ただ...続きを読む時間あたり付加価値の効率という点では自省する。
それでも、千利休、天海和尚と続けて読みたい。それくらい面白い。

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購入済み

2020年09月22日

明智光秀が好きで、光秀と名のつく作品は片っ端から読むようにしている。
本作も書評を読んで「面白そう」とワクワクしながら購入したが、残念ながら
期待したほどではなかった。作者はビジネスパーソンとして成功をおさめた人
らしく、描かれている光秀も戦国武将というよりは、むしろビジネスパーソン
という...続きを読む感じ。多くの競争相手がいたにもかかわらず、光秀が異例の出世を遂げ
たのは、彼がそれなりの人物だったからだろう。戦国時代も現代のビジネス
の世界も弱肉強食、権謀術数がはびこる世の中。最後まで生き残り、勝ち組に
なるのは容易なことではない。光秀がどうやって成功を収めたのか、歴史上の
事実を踏まえながら光秀の足跡が淡々と語られる。その一方で、他の作品にみ
られるようなハデな合戦シーンは殆ど出てこない。光秀のフィナーレを飾る山崎
の合戦も描かれることなく終わっているのは少々意外だった。戦国時代を描く
作品なら、もう少し迫力、アクションがほしかった。

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