【感想・ネタバレ】逃亡者エリオ 5のレビュー

「生きる権利」は持ち合わせていても、「生きる目的」を見失いがちな現代。
そんな時代だからこそ、「生きることに必死」であるキャラクターが活躍するアツいマンガを読みたくなるのではないでしょうか。

時は14世紀―
弟殺しの罪で捕えられ千人を倒して出獄したエリオは、身に覚えのない罪で処刑寸前の貴族の娘ララと出会います。
一度は死を受け入れたものの、運命に抗うことを決めた少女ララは、己を信じ突き進むエリオと共に逃亡の旅に出ることに。

二人を追うのは罪人を裁くことに執念を燃やすバルド。
さらに謎の暗殺者も現れ、より混迷を深めます…。
ララに重大な出生の秘密も判明し…!!
カスティージャ王国の大地で繰り広げられる逃亡バトル歴史活劇開幕です!!

逃亡の途中、素足のララにエリオは自身の靴を差し出します。
でもララは貴族出身。
罪人の靴を履くことに一瞬躊躇いを覚えるのですが、すぐに自分が無意識に人を見下していると気づきます。

それは無実であると訴える彼女の言葉に耳を貸さず、罪人と決めつけて笑いものにしていた群衆と同じではないでしょうか。
その気づきにより、ララは自分が身勝手な人間であったと反省し、今までの価値観を捨て真っすぐに強く生きるために逃げることを誓うのです。

正しいことが正しいとされない時代、不条理に立ち向かう彼女の姿に、読む側の拳にも力が入ります。
また「自分自身を信じる!」と言い切るエリオだからなのか、ララや周りからの差別も飄々と受け流し、向かい来る敵を軽々と打ち砕く姿に、スカっとすること間違いなしです!

強さ・正直さ・友情が揃った王道の少年マンガが好きな方には是非読んでいただきたいストーリーですが、
さらに注目すべきは、描くのが『錻力のアーチスト』『シュガーレス』など、ガチンコマンガに定評のある細川雅巳先生であることです。
力強いタッチで描かれる迫力ある画面は流石の一言です!!

「生きる事に貪欲であれ。」というメッセージが胸を打つ今作。
波乱が予見される今後の展開から目が離せません!!

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終わり方

Q
2020年07月12日

皇女の行方も、敗戦王の行方も、ほんわり誤魔化した終わり方。
ポルトガルに帰らせた、悪役一手に引き受けた母王妃も、いつの間にか死んでる。
終わり方が駆け足過ぎる点だけ残念。

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