あらすじ
「猫は照明を1日12時間以上あてると、年3回は産める」。ペット流通の闇を暴いた『犬を殺すのは誰か』から約10年。犬に続き、空前の猫ブームではじまった増産態勢。「かわいい」「いいね」の裏側で消えてゆく命。信念の取材が暴く、人間の愚行と、理不尽な社会。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
見ているだけで辛くなる表紙とタイトルになかなか読み始めることが出来なかったが、読み始めたらすぐに読み終わった。
惨たらしい現実に涙が出そうになる瞬間も多く合ったが、命を思いやる多くの人の働きで動物愛護法改正に至った流れには強く感動し、読後は大作の映画を観終わったあとのような感覚になった。
最後に付録されている動物愛護法の原文は法律特有の硬く分かりにくい言い回しであるが、このひと言を加えるため、このひと言を変えるために多くの犠牲と努力があったことを知ってから読んでいるので強く心を打たれ全て読むことができた。
尊い犬や猫や全ての動物達の命が救われることを願ってやまない。
特に、動物愛護法においていまだ対象となっていないにも関わらず広くペットとして飼育されている魚類、両生類、また、8週齢規制に抜け穴となってしまった日本犬たちがこれからの法改正で必ず適切に保護されること、そして動物愛護法違反が長期の実刑を伴う厳罰に処されるようになることを強く希望する。
自分にできることを考えていきたいと改めて思った。
Posted by ブクログ
それなりの規模のショッピングセンターに行けばしばしば目にするペットの店頭販売。その背景にどのような「闇」が広がっているのか、そしてその状況を改善するために国がどのような努力をしているのか、していないのかを丹念に取材した記録。主に犬の生体販売でどのような悪質な事例があったのかという話とは別に、改正動物愛護法の立法過程においてどのような思惑が交錯していたのかが詳しく書かれており、具体的な政治過程の分析としても面白い。