あらすじ
人類は今、新たな進化の段階に突入している。
産業革命は社会を変えたが、IT革命は人間の心を変えようとしているのだ。
共に働き、共に生活していた「家族」が、都市化や産業化、核家族化を経て崩壊しようとしていた時、IT革命が起きた。
IT革命は社会システムを大きく変えたが、もっとも重要な変化は、人間の脳神経回路を組み替え、愛着システムを変容させたことだ。
通常なら数万年、数十万年のスケールで起きる生物学的な変化が、数十年の間に進行している。
27年ほど前、医療少年院で一人の回避型愛着を示す若者に出会った。
今や、そうした人々は普通の家庭や社会にあふれている。
急激に増えつつある「回避型人類」の特徴は
・単独生活が基本
・セックスをしない
・子育てに関心がない
・集団への嫌悪と恐怖
・人より物、物より情報を好む
・ルールと統制を重視する
・キレると何をするかわからない
・蔓延する依存症と刺激中毒
・突然襲ってくる自殺衝動
・死を悲しまない
そんな「回避型人類」の数が、共感型の旧人類を上回るとき、一体何が起きるのか。
最前線の臨床医が最先端の進化論と出会って辿り着いた、驚愕の未来レポート。
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Posted by ブクログ
愛着回避型な人が会社や組織の歯車としてピッタリ、だから今後は回避型の人が増え、社会の多数派になるかも!と言う予想。
著者はこの予想を元に、ユヴァルノアハラリの「ホモ・デウス」を補完する形で本書を書いているようだ。サピエンスの次の種が愛着回避型を備えていると云う。
しかし、著者の進化に関する理解には少々怪しいところがあったりするため、論理が飛躍している感がある。
また、本書内の脱愛着を起こした回避型人類は「愛着を求めること」を辞めただけで、「愛着による報酬」を得る先天的能力は失っていないようだ。個人的にはそんな種が成功するとは思えない。
愛着によるオキシトシン系の幸福無くしては人生を無価値に感じるのは仕方なく、またいかなる形でも次世代を作る事はないと思う。
Posted by ブクログ
自称「24時間喜怒哀楽人間」の私です。つまり共感型。
子どもの頃から人が好きで、友達が好きで、ワイワイ騒ぐのが大好きな私は、「回避型人類」とは対極です。
近い将来、回避型人類が世にはびこるという。
ビジネス界では、回避型が共感型より優位に立つようになってきたという。確かに効率的で、生産性が高いかもしれません。
リビングに家族全員が揃っていても、銘々にスマホやタブレットの中の世界に没頭している、そんな現代は、確かに回避型人類が増殖中と言えるでしょう。
キレる人が暴走してしまうニュースが絶えないのも、もはや回避型人類が広まっている証左かもしれません。