あらすじ
みんなよりちょっとだけ頭がよい小学四年生少女・理桜は、担任の先生のお願いで、不登校の少女・さなかの家を訪れる。
しかしさなかは既に大学院を卒業し、数学者の肩書きを持つ超・天才少女! 手玉に取られくやしい理桜は、マウントを取るべく不用意に叫ぶ。
「あんた、友達居ないでしょ!」
かくして変な天才少女に振り回される『友達探求』の日々が始まるのだった……。
野崎まど新装版シリーズ、「友情」の極意をお届けする第5弾!
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Posted by ブクログ
この作品もとても楽しめました。これは、ネタバレになるのかもしれないですので、ネタバレチェックBOXをONにします。
『スタートレック』シリーズのミスター・スポックとカーク艦長とドクター・マッコイの世界観を小学4年生に置き換えたような作品だと感じました。
友達というテーマで物語が展開されます。そこに論理と人間の心理・感情との葛藤が積み重なり、見事に友達とは何かを読み解いています。
野崎まどさんの作品は、どれも私のような凡人の想像を超える物語がありとても楽しいものが多いですね。大好きな作家さんです。
Posted by ブクログ
天才ゆえにどこか常人とは感覚がずれている少女が、友達とは何か?ということについて、数理的に突き詰めていく物語。
そして、やがり辿りついた結論は、友達とは、"友人定数"と"友人方程式"から導き出される、論理的現象であるというもの。
小学生の女子たちがじゃれ合っているという雰囲気で物語は進んでいくが、終盤、ある事件をきっかけに状況は一変する。
果たしてこの物語における最大の食わせ者は誰なのか?最期まで読み終えても必ずしも真実は詳らかにされないが、読後感は悪くない。
物語全体を通して誰かの深い愛情と深慮があったということは間違いないだろう。