あらすじ
少しずつ見えなくなる恐怖と闘う勇気の物語。
子どもはだれだって暗やみがこわい。
でも、マファルダがこわいのは、目のなかにある暗やみだ。
真っ暗闇が訪れるまで、長くてもあと半年――。
ある日、9歳のマファルダは、少しずつ視力が失われる難病と診断される。
目が見えなくなるってどういうことだろう?
目隠しして歩いてみる。暗やみでも歩けるのかどうかを試してみたかったのだ。
暗やみでくらすようになったら、どうすれば色がわかるのだろう?
不安は、どんどんふくらんだ。
それから、マファルダは、やっておきたいことのリストを作り始めた。
少しずつ見えなくなっていく、失明の恐怖を、少女の一人称で語られる物語は、読む人の心を打つ。
作者自身の体験にもとづいた、生に対する痛いほどの愛情がこめられた、感動の物語。
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Posted by ブクログ
この本を選んだのは、関口英子さんの訳が読みたかったから。原書はイタリア語なので読んでいないけれど、関口さんの訳は無駄がなく本当に読みやすい。
日本語訳に関してなら☆5なのだが、お話の中に理解し難い場面があったので3。
それは、主人公マファルダがクラスメートたちの持ち物を盗み取った件。人のものを盗むことについて、まったく罪悪感なく普通に語っているのに衝撃を受けた。以前は仲良しだったキアラは、確かにちょっとイヤな感じの子だと思うが、だからと言って彼女のものを盗んで良いことにはならないだろう。盗んだことがいつバレるのか、それともいつか返すのか、と気になりながら読み進んだが、そのような記述は無かった。
逆に、マファルダは、他のクラスメート男子に虫眼鏡を騙し取られている。こちらも最後まで返されることは無かった模様。人のものを取っておいて何も感じないのかこの子たちは?!
難病に冒された少女が徐々に視力を失っていくという、作者自身の体験をもとにして書かれた作品で、普通に読めば感動モノなのだろうが、残念ながら今ひとつな読後感となってしまった。