【感想・ネタバレ】父 渋沢栄一 新版のレビュー

あらすじ

人を愛し、国を愛した実業家。
息子の視点から描かれる、渋沢栄一の素顔とは?
栄一の生涯を俯瞰する、随一の伝記!!

2024年、経済人として初めて紙幣の顔となる、渋沢栄一。
彼は、江戸から昭和へと、四つの時代を駆け抜けた。明治維新の志士、大蔵省の官僚、数多くの企業の創立や発展に携わる企業人として生きていく中で、多くの意思決定を迫られていた。
その際判断基準となったのが、〈その行動で社会をも利することができるか〉、つまり公益の追求である。道徳に照らし合わせた活動でなければ経済活動の継続も難しいというのである。
令和に生きるビジネスマン必見、持続可能な経済実現のヒントがここに。
巻頭には栄一の歩みを写真で振り返る、豪華12頁のグラビアページも収録!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は渋沢栄一の四男として生まれ、父のそばで見てきた著者の視点で
家庭の中での栄一翁の姿が別の伝記には無い新鮮で面白さがある。

気になるケ所を箇条書きにメモをする。

①明治3年、アメリカに行った伊藤博文は会計事務を調査した結果、洋式簿記(複式簿記)という、お土産を持ち帰った。
ここで、ネットで調べてみると、当時の江戸から明治にかけては、『大福帳』という
得意先とのすべての売り買いを総括した帳簿が主であった。
洋式簿記は現在の簿記で記入方法は難しいが、あらゆる取引と複数の会社との
やり取りの流れを記することができる画期的な簿記だった。

②明治5年に富岡製紙場(現在世界遺産)を作った時の逸話がすごい。
工場を作った当時、地元の養蚕業者から反対に合い、なかなかうまくいかない。
特に困ったのは、工場の女工応募者が集まらない。
その理由がすごい。こんな噂話があった。
『あの工場で働くと生血を絞られて死ぬ』という噂らしい。
なんと、その噂を流した現地の人が見たのは、当時工場の技師はフランス人が多く
いた。その異人が生血を飲んでいると勘違いされたのは、葡萄酒(ワイン)だった。
その勘違いは時間が解決したがびっくりする逸話だ。

③70代に2回渡米して日米親善で活動して、沢山の地元アメリカ人の知人ができた。
そして、82歳になって、3回目の渡米を果たす。もう既に、生き甲斐になっていた。
その精神的、肉体的に強いのはいったいなんだろうと思う。
論語がその原点らしいが、もっと論語を知ってみたい。
なんと3回も渡米していたのに、英語は話せないという。
その代わり通訳を通じて、現地の人の生の声を聴けた。

④最後に色気のこと。
日記をつけていた、栄一は2号さんのことを『一友人』と書いていた。
その一友人に会うときは、お酒を飲んだ帰りに一友人に会いに行っていたらしい。

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2021年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4つの時代を生き、現代日本の礎を築いた人の物語を子が本にした。
青年時代は、あの徳川家光公に仕えたとは知らなかった。新選組のメンバーとも懇意だった。
幕府側の人間で有ったため、新政府の要職には請われても付かなかったが、銀行を始め公共インフラの立ち上げに数々関わる。滅私奉公を地でいった人。強欲の三菱弥太郎と対局。
何故これまで、華やかな表舞台に出てこなかったのだろう?

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2019年12月04日

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