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Posted by ブクログ
怖いよなあ、、、桐野夏生の小説は、もう、なんというか、怖いです。そして、凄い。
女性作家で、絶対に勝てねえなこの人には、その存在感と圧倒的な強さに、いっつもコテンパンに打ちのめされるな、と思うのは、桐野夏生と髙村薫ですね。もう、圧倒的に、強い・怖い・逞しい、って感じがします。
桐野さんの小説の持つ、なんというか、圧倒的な強さと禍々しさ。まがまがしい、って、これ、全然正しい使い方ではないと思うのですが、バチバチに褒め言葉です。本当に、禍々しい。そして、惚れ惚れするほどに、強い。おっとろしいです、ホンマ。
何故にこれほどに、人間という存在の、黒さ、というか、小悪党さ、って言うか、狡さや邪悪さや意地汚さを書き切ることができるのかね?というくらいに、ほんにまあ、感動するんですよね。もう、共感できなさすぎて共感できる。こんな人間、絶対イヤやわ絶対友達になりたくないわ、と思いながら読みつつ、うーむ、でも、俺も、こんな人間なんだろうなあ、、、って、思ってしまう。
この「ポリティコン」も、まず、題名の意味がわかりません。どんな意味?下巻まで、ちゃんと読み終えてから、意味を調べたいと思いますです。「メタボラ」も、謎なタイトルだったよなあ、、、桐野さんの小説の謎のタイトルは、なんだか、気になるのですよね。
それにしても、理想社会の実現のための唯腕村が、これほどまでにこう、悲惨な内実だとは。ユートピアが舞台のディストピア、理想郷のハズが絶望郷になっていく(であろう)ストーリー。マジ怖いっす。人間って。
桐野さんのポリシーは、いわば性悪説、なのだろうか。荀子ですね。諸子百家。春秋戦国時代。いったい、桐野さんを、小説の創作に駆り立てるなんらかのエネルギーって、どんな熱量なんだろう。おっとろしいですよ。これが「業」ってヤツか、とか、なんだかよく分からない事を思うのです。そして、その桐野さんの熱量に、紛れもなく魅了されている自分がいるわけで。
それにしても、人間って、結局はエロいんだろうなあ、ってことが、よーわかる小説ですね。マヤちゃんがどれほどの美少女なのか、あーもうビジュアルで見たいもんだなあ、って、結局はそこを思っちゃいますね。