江戸時代の見世物小屋を舞台に繰り広げられる本作。この世の残酷さや不条理、いなくなった相手への贖罪の念といった仄暗い情念が中心に描かれているように見えますが、その本質は圧倒的救済の物語です。
自分を犠牲にすることでしか弟を守れないと思い込んでいた壱が自分を大切にすることを知り、人の言葉を知らなかった鬼の子・べなは言葉を学ぶことで「愛」という感情を知る――どこかが欠けた者同士が共に成長していく姿が愛おしすぎて、帯の「拝みたくなるボーイズラブ」というキャッチコピーに偽りなし……! 2人の成長は大きな痛みを伴うものですが、その痛みすら尊く感じられます。
そして、べなと壱に次ぐ本作のキーパーソン・ダンゾウについても語らせてください。壱とその双子の弟・二三を見世物小屋でこき使い、病弱な二三の存在を盾に壱を手篭めにした最低最悪の小悪党であると同時に、彼なりのやり方で双子を守り、二三への思いを心の奥底に秘めていたダンゾウ。彼の存在によって、この物語の奥行きがグッと増したといえるでしょう。こふで先生、どうかべなと壱だけでなく、ダンゾウのことも救ってあげてください……!
べなと壱を拾ってくれた美人で男前な髪結屋の妻・お奈緒や、寺子屋の子どもたちなど、個性豊かな脇役たちと過ごす、心穏やかな日常もこの作品の魅力のひとつ。江戸文化が生き生きと描かれていて、思わずにっこりしてしまうような愛おしい情景が楽しめます!
感情タグBEST3
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一巻に引き続き
2巻も素晴らしかったです。
2巻は2人が結ばれて、幸せいっぱいだけどまた鬼になってしまわないかと不安いっぱいのべなが己の過去と向き合うお話でした。2人の真摯に向き合う様がとても愛しいです。この巻で壱の中で二三との決着?というか心残りが終わります。タンゾウとも区切りがついた感じです。最後にタンゾウとも二三とのお話が入っていましたがとても切なくなりました。印象深いのはこちらの方かもしれません。2人が幸せになれる未来もあればいいのかなと願ってしまうほどでした。まだまだ続くようですので次がとても楽しみです。
ハッピーエンド極
本当に全員幸せな終わり方でハッピーエンド大好きな自分にとっては最高だった。
ダンゾウと二三の関係に涙が…
残される側は辛いよなぁ。大事にするって大変だよなぁ。全部愛ゆえの物語でした。
出会えて良かった。
深く考えさせられる
奈緒&定吉夫妻や、手習い所の子供達、通りすがりの旅人さえ、味があって良いです!江戸の風俗がちゃんと描かれてます。ダンゾウの過去も触れます。ダンゾウええ奴やん、いい体だしw
涙 ☆2.
タンゾウと二三。べなの思い。特に二三の想い。深い愛おしいがいいな!
おなおさん夫婦はちゃらんぽらんな感じがするのにいい人達。世間知らずな二人がわからないけど相手の事を思うからこそ道理を考え知っていく…。その道しるべみたいでいいなぁ~。
まさかの続編!嬉しい!2巻では更にお互いの関係に踏み込んで、それぞれの辛い過去と向き合って成長してるのが泣けた~!しかもダンゾウと二三の話まで入っててこれまた泣けました。べなの素直な言葉が素敵でした。べなとイチがちょいちょいエッチしてるのも可愛かったです(*´`)♡
最高でした!
『べな』の続編です。
お互い過去に苦しみ、葛藤があるのですが、それは自分自身のためではなくお互いが想いあうが為の事で、二人でそれを乗り越えていく、胸アツです!
ダンゾウと二三の過去も描かれていて、
こちらもとても良かったです。
こふで先生の描く登場人物たちの感情の機微、彼らが見せるしぐさ、すべてが最高でした!