あらすじ
働くすべての人必読!
社員をとことん信じ切る。社員は評価し、管理する対象ではない。
困難な時代に、「生産性至上主義」をやめて成長を続ける、奇跡の運送会社「宮田運輸」を率いる社長の新しい組織論。
著者は、社長就任後、会社を引き締めようと、社員に対する管理を強化。力業で数字を上げようとしたが、その結果死亡事故が発生。それをきっかけに方針を大転換し、社員を信じる「心の経営」をモットーとするようになる。その結果、従業員の主体性、仕事に対する姿勢が劇的に変化し、業績も急伸。現在、国内だけでなく、中国や韓国などからもたくさんのビジネスパーソンが視察に訪れるようになった。
本書は、管理をいっさいせず、社員の主体性を育み、組織を力強く成長させる同社の仕組みを余すことなく紹介する。
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Posted by ブクログ
社長の仕事は社員を信じ切ること。それだけ。
著:宮田 博文
社長が数字に囚われ、幹部にプレッシャーをかけ、目標で縛れば縛るほど、従業員の主体性は消えていった。
本書は、社長である著者が紆余曲折、多くの失敗から学びながら身につけ、今も試行錯誤を続けている経営の方法を記している。
実践していることは、とてもシンプルなこと。
人を信じること。人の何を信じるかと言えば、やさしさ、良心、美しい心である。
マネジメントという言葉も必要なく、経営者にかぎらず、人を束ねる立場にあるリーダー本当にすべきことは、人を信じること、愛を信じ切ることである。
本書の構成は以下の5章から構成されている。
①モチベーションの源泉は「人の役に立てること」
②1人ひとりを信じて任せる
③リーダーに最も必要なのは「愛」
④目先の数字は絶対に追わない
⑤人は「管理」ではなく「幸せ」になってこそ成長する
社員を「信じる」のではなく、「信じ切る」というところに、社長の飛び抜けた覚悟と底が見えないほどの深い「愛」を感じる。社長という立場からすれば、人は信じたいものの、経営責任という観点からは、一定の数字を追い求めることは悪いことではない。
しかし、社長は自身の失敗からそれを完全に追い求めていない。人を信じ切ることで、従業員・スタッフの方それぞれが、家族である会社のため、社長のために自身ができることが何であるかということを主体性を持って考え行動に移してくれている。
信じるではなく、信じ切るからこそ起きるそれは「奇跡」なのかもしれない。頭で考えたことを頭で理解させることは可能かもしれないが、それはうわべだけのことも多い。しかし、ここでは「こころ」で考え、動く。こころを形にすることで頭ではなく、こころで理解させることで仲間・家族となるのである。
誰しもが社長が行うマネジメント→仲間づくりができるものではなく、覚悟と度量と愛があり始めて成立する魔法のほうな仲間づくりである。しかし、その魔法に誰しもが注目し心打たれている。
表面的な真似では運用できない仲間づくり。そのメソッドを触れて少しでも自身の至らなさを認めながら自身の仲間づくりに活用していきたい。