あらすじ
【内容紹介】
大好評「中小企業経営者のための社長法務シリーズ」第2弾!
今回のテーマはいま話題の「カスタマーハラスメント(カスハラ)」対策
経営者の側に立って多くのトラブルを解決してきた敏腕弁護士が
「クレーマーからの理不尽な要求への対処法」
「クレーマーからの要求を断る仕組みを社内につくる方法」
「クレーマーへの反撃方法」
などを具体的に説き明かした、今すぐ役立つ一冊。
この本は、
「クレーマーからの執拗な連絡や要求に頭を悩ませている人」
「クレーマー対応に疲弊していく現場の担当者」
「クレーマーに対して、企業として法的に対抗する方法を知りたい人」
など、経営者はもちろん、営業・販売部門責任者、カスタマーサービス担当者にもおすすめです。
【著者紹介】
[著]島田直行(しまだ・なおゆき)
島田法律事務所代表弁護士
山口県下関市生まれ。京都大学法学部卒。山口県弁護士会所属。
「中小企業の社長を360度サポートする」をテーマに、社長にフォーカスした“社長法務”を提唱する異色の弁護士。会社の問題と社長個人の問題をトータルに扱い、弁護士の枠にとらわれることなく、全体としてバランスのとれた解決策を提示することを旨とする。基本姿勢は訴訟に頼らないソフトな解決であり、交渉によるスピード解決を目指す。顧問先は、サービス業から医療法人に至るまで幅広い業界・業種に対応している。労働問題、クレーム対応、事業承継(相続を含む)をメインに社長に対するサービスを提供。クライアントからは「社長の孤独な悩みをわかってくれる弁護士」として絶大な信頼を得ている。とくに、クレーマー対応は、これまでサービス業から病院までさまざまな業種の100名を超える悪質なクレーマーに会社の代理人として対応してきた。その実績を基礎に「クレーマー対応に強い組織づくり」を目指したコンサルティングを各地で提供している。『プレジデントオンライン』にて「トラブル火消しの参謀」を好評連載中。著書に『社長、辞めた社員から内容証明が届いています』(プレジデント社)がある。
【目次抜粋】
第1章 クレーマー対応に疲弊していく現場の担当者たち
第2章 クレーマーからの要求を「断る仕組み」を社内につくる
第3章 クレーマーへの“しなやかな”対処法
第4章 クレーマーからの終わらない電話を終わらせる方法
第5章 クレーマーからの執拗な面談要求の断り方
第6章 クレーマーへの反撃の作法
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Posted by ブクログ
スタンダードな内容の本ではあるが、対人的な商売をしている以上、この手の本を一冊は読んでおきたい。
・まず、「このような人はもはや顧客ではない」という方針をはっきりさせる。ここがブレると何をやってもうまくいかない。いたずらに「顧客」という言葉に従うのではなく、本当の顧客は誰なのか、を自問すべき。不当な要求をしてくる者に特別な対応をすると、自社を信用してくれている本当の顧客を裏切ることになる。
今後ともお付き合いしたい人が顧客なのであって、カネさえくれれば顧客ということではない。
・「自分が正しい」という自信は、誰かに論理的に説得されることを許さない。クレーマー対応に慣れていない人は、相手の矛盾や非合理性を指摘すれば問題が解決できると誤解している。しかし、そんなことをしても、問題はよりいっそう複雑になるだけだ。
・録音していることを宣言して、実際に録音することでもクレーマーの大声はなくなることが多い。人は、自分の声が録音されていると認識すると、「下手なことは言えない」と発言内容に気をつける。するとクレーマーとも冷静に話をすることができる。
・「大切な○○様に不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」「わざわざ○○様にご連絡をいただくことになり、申し訳ありません」「○○様へのご連絡が遅くなり、申し訳ありません」こういった謝罪を最初に口にすると、意外と相手のトーンが下がってくる。いずれも意味があるようでない謝罪であるが。ポイントとしては、謝罪の言葉のなかに相手の名前をしっかり入れることだ。人は自分の名前を呼ばれると我に返りやすい。しかも「自分は大事にされている」という印象を与えることができる。そのうえで具体的な事実とは関係のない謝罪を述べることになる。
・クレーマーを交渉の土俵に上げるには、まず要求内容を確定させなければならない。抽象的なやりとりを続けるばかりでは、ディフェンス側として反論するべき論点もわからない。相手の要求が判然としない場合には、「申し訳ありません。ご要望の内容を具体的に教えていただけますか」とはっきり質問する。できれば「上司に正確に○○様のご要望を報告したいと考えております。そのため、書面にてご要望を提示していただけないでしょうか」など書面での提出に持ち込むといい。書面で提示してもらえれば、それが相手の主張として固定化するので、対応方法を具体的に検討することができる。あるケースでは「なんで被害者であるこちらが書面を出さないといけないのか。書面を出したら必ず対応してくれるのか」と詰め寄られた。こういうときは、「ご要望を正確に把握しなければ、当社としても対応ができません。ご要望に添うことができるかどうかはいただいた内容によります。この場で即答を求められるようであれば、会社としても対応できません」と明確に断る。なかには「何かを求めているわけではない。誠意を見せてほしいだけだ。わかるだろう」と言い続ける者もいる。こういうタイプには「誠意と言われても内容がわかりません。金銭的要求のことでしょうか」とあえて言い返すことが効果的だ。相手としては、曖昧に回答したいから、具体的な回答に持ち込まれるのを嫌がる。相手が興奮して話し合いにならないのであれば、「こちらとして失礼なことを申し上げたつもりはありません。あくまでご要望を正確に把握したいだけです。それに応じていただけないのであれば、対応しかねます」として交渉を打ち切ればいい。いずれにしても相手の要求内容が曖昧なままで対応をしてはならない。