【感想・ネタバレ】赤い髪の女のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年02月25日

西欧の「母と交わり父を殺す」オイディプス、東洋(ペルシャ)叙事詩の「子殺し」ソフラーブの類似はそれ自体が興味深いが、本書ではそれらの物語がトルコを舞台に忠実になぞられる。素直に面白いが、ちょっと忠実すぎ、技巧的に映る(丁寧に目を潰すところまで)。また、初恋の赤い髪の女にいつまでも執着する主人公男性は...続きを読む人としてどうなんだという感想を持ってしまった。

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Posted by ブクログ 2020年02月11日

東洋とも西洋の間で揺れ、都市化の波が押し寄せる地で、「オイディプス王」「王書」のそれぞれを手がかりに父殺しについて考える作品。
強く感情移入しきれない部分もあったが、それはトルコにおいては子が父親を殺すことの意味が、日本とは異なるセンテンスを持っていることが要因だと思う。
章が細かく別れており読みや...続きを読むすかった。

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Posted by ブクログ 2019年12月22日

ノーベル賞作家の最新作。3部構成で、それぞれに受ける印象が異なる。第1部は学費を稼ぐため井戸掘りの見習いとして働く少年の体験談。第2部は大人になった彼が過去と向かい合う話。第3部は語り手が変わり、すべての真実が明かされる。神話や叙事詩に描かれた父殺し、子殺しのエピソードが繰り返し語られ、物語もその方...続きを読む向に沿って進むが結末がどうなるのかはわからない。トルコという国をほとんど知らないので、読み解くのはむずかしいと思った。

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Posted by ブクログ 2019年12月11日

ファム・ファタールものって、肝心のファム・ファタールに納得がいかないことが多いので、あんまり好きなジャンルではないのだけど(女は男性作家の女性描写には厳しいのである!!)、この表紙の女性の写真が素敵で「赤い髪の女」ってタイトルにピッタリな感じなので、手が伸びた。

あと、ついでに、最近エルドアンのお...続きを読むかげで何かとお騒がせな印象の現代トルコについても、訪れたことがないせいか全然イメージがわかないので、何かとっかかりになるといいなぁ、という思いもあって読んでみた。ニュースになるのはどうしてもネガティブなことが多いしね。(小説は逆にその場所への愛を感じることの方が圧倒的に多い。たとえネガティブな事件が描かれていても)

舞台であるイスタンブルとその近郊の描写はやはりとても興味深かった。都市がわずかな期間にみるみる増殖していく様子は、トルコに限らず世界中にあることで、でもそれでいて東西が融合する都市、という旧来のイメージどおりな、トルコならではな描写もあって、文字から町の様子を想像するのは楽しかった。
トルコの人たちにとっても、ボスポラス海峡の向こう側は西洋、っていう印象が強くあるんだなぁ。

ファム・ファタールについては、まあいつもどおりで(悪い意味で)、あと主人公もなんだかマヌケな男だったから、なかなか話に乗れなかったが、マフムト親方のおかげで前半のダルさを乗り切ることができた。

オイディプス王の物語は気持ち悪くて私は個人的に大嫌いで、だから、この話が持ち出された時は「えー、またエディプス・コンプレックスの話? みんなその話、ほんと好きだね~」と、題材として手垢がつき過ぎな感もあって、うんざりした気持ちになったが、マフムト親方が一度聞いただけでこの話の「教訓」を言葉にした場面は非常に魅了された。なんておもしろいおっさんなんだ、と思った。

その後、親方に何が起こったんだ?という謎をとにかく知りたくて、あとはぐいぐい読んだ。
ちょっとしたどんでん返しなどあり、ミステリーとしてはなかなかおもしろかった。
でも、また同じ作家の本を読みたいか、と言われると微妙・・・

ただ、代表作と言われている「わたしの名は赤」はいつか読んでみたい。おもしろそう。

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