あらすじ
死刑判決の実態、死刑囚の生活、死刑執行の詳細……秘密にされてきた驚くべき真実
2018年7月、オウム真理教の元教祖・幹部13人全員の死刑が執行された――。
世界の3分の2以上の国で死刑を廃止・事実上停止しているいま、私たち日本人は「国が人の命を奪う」死刑に直接向き合わなければならない。
日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。
大阪拘置所長が秘密に録音させた死刑告知から執行までの53時間も再録し、これからの日本の死刑制度はどうあるべきかを考える。
序 章 謎だらけの「死刑」の真実に迫る
第1章 見せしめの残酷刑から人道的処刑へ
第2章 日本の「死刑」も時代とともに変貌
第3章 「最期の日」までの死刑囚の日々
第4章 死刑制度の危険な落とし穴
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Posted by ブクログ
死刑制度に関して批判的な立場で書かれている。この問題の入門書的な位置づけな本であり、概要を知る上では役に立つ。
昨年は大量に死刑が執行された。オウム真理教に所属していた者たちが起こした地下鉄サリンの実行犯やその中心的な指導者に対する死刑が執行された。
その死刑は国によっては禁じられている。日本には古くからかたき討ちのような死刑に準ずる殺人が認められており、死刑を公認する文化がある。その他にも様々な死罪の方法があった。
死刑囚がどのように最期を迎えるのかについても書かれている。千差万別だが、中には心を穏やかにして刑死を受け入れるものもいる。また最後まで抵抗して死を迎えるものもいる。
死刑か無期懲役かの境目も実はあいまいでボーダーラインの判例はいくらでもある。またいったん死刑判決が出たものの覆って無罪になる例もあり、上告中にも関わらず死刑が執行されてしまった例もある。
人の命を奪う死刑の是非を考えるきっかけになる一書である。
Posted by ブクログ
世界では3分の2以上の国で死刑を廃止・停止しているが、この国・日本では・・・。日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をし、死刑はどう執行されるのか。日本の死刑制度はどうあるべきかを考える作品。
Posted by ブクログ
死刑制度反対の著者による日本における死刑の歴史と世界の状況、明治以降の死刑の事例、死刑囚の過ごし方の事例…を紹介する書。割と幅広く入門的に読めました。
学生時代、加賀乙彦の著作を読んだりした時代もあり、死刑のトピック自体は久しぶりでした。
挙げられている事例自体はさることながら、
刑務官の心理的負担も大きいことは理解しているんだけど、
まったく反省せずに更生も考えられない要員のために生き延びていることに何とも言えない気持ちになる。
直ちに「死刑反対」とはならないかな。。。