あらすじ
人生を八十年とし、それを四で割ってみた。四は四季の四である。すると、今年五十のわたしは、秋の真んなかにいた――。どこにでもある日々が、ここにしかない物語に変わる。山本周五郎賞受賞&直木賞候補作『平場の月』の著者による、大人の心に寄り添う、切なく優しい短編集。
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Posted by ブクログ
事件は起こらない、淡々とした日常を作家が切り取ると物語になる。はっきりしない結末も、現実ではよくあることだし。ホール・ニュー・ワールドの智子の、世間の評価より自分の値付けは高いと思ってる、出産でステージが上がる、言いたくない事が言語化されていてぐさっときた。最後のさようなら妻、も結末が見えてくるのに文章がうまくて読んでしまう、そんな感じ。平場の月より好み、多分この作家で一番好きかも。ほかも読む予定。
Posted by ブクログ
6つの短編からなる小説。
表題のとおり、熟年を過ぎて老いを感じてきた頃の男女の日常を描いたまさに『たそがれどき』の話だ。
表題の『たそがれどきに見つけたもの』は、高校の同級生同士で結婚した女性が、フェイスブックで久しぶりに会った女友達に会い、自分の結婚相手を教えたらすごくびっくりされたという話。
またこの短編で印象に残るのが、「人生を80年とし、4で割る。 20歳までが春、40歳までが夏、60歳までが秋、それ以降は冬…』という一節だ。物語の女性は50歳なので『私は、ちょうど秋の真ん中にいる。』と書いてあるが、読者の自分は冬なんだなぁ…とあらためて思った。
『王子と温泉』という話では、真面目に専業主婦をしてきて子どもたちが手にかからなくなってきた52歳の女性が、ファンクラブ会員限定の中年スター(王子)との温泉一泊ツアーにはじめて参加するという内容。温泉地にある旅館につき、初対面の女性らと同じ部屋になって自己紹介したら、実は派手な女性が裏で王子とLINE交換をしているという話を聞いて、落胆する。
これもなんとなくわかるなあ。アイドルに夢中になる女性ファンが、アイドルの恋人発覚や結婚報告で急にロス状態になる。
他の短編はあまり印象には残らなかったので⭐️3とした。