あらすじ
フランス革命、国民国家、ナショナリズム、世界大戦、移民問題、EUの未来……。フランス史を知れば、世界史や現代社会がわかる。歴史の中に現代を読み解く鍵がある。ロワール川沿いのお城にヴェルサイユ宮殿、フランス革命やナポレオン、あるいは芸術やファッション、フレンチ料理やワイン……、さまざまな魅力に満ちているフランス。それらは、歴史の激動や課題のクリアがなされてきた中で、特徴をもって形作られてきた。西洋近現代史研究の第一人者が2000年を超える歴史の流れを大きくとらえて語りきる、現代人必読の書。国家間の対立が激しい現代世界、国民国家を生み出したフランスの歴史は、今、学ぶべき教養だ! 【目次より】1. 「フランス」の始まり/2. 打ち続く試練から王権の強化へ/3. 絶対王政とヨーロッパ世界の拡大/4. フランス革命とナポレオン/5. 王政・共和政・帝政、揺れるフランス/6. なぜ、世界大戦は起こったのか
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Posted by ブクログ
これ掴みからめちゃくちゃ面白い。買ってよかった。福井憲彦さんの本全部読も。基本歴史的に見たらヨーロッパの国境って変わりまくってるし移民も凄いし、枠組みなんてあってないようなものだから、軸を決めて、フランス史を勉強するとヨーロッパ全体の事が察しつくようになると思う。
福井憲彦
学習院大学名誉教授。公益財団法人日仏会館理事長。獨協大学外国語学部特任教授。1946年、東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専門は、フランスを中心とした西洋近現代史。学習院大学教授、学習院大学学長を経て、現職。2019年、フランスより国家功労勲章シュヴァリエに叙された。
著書に『近代ヨーロッパ史』(ちくま学芸文庫)、『興亡の世界史 近代ヨーロッパの覇権』(講談社学術文庫)、『フランス史』(編著、山川出版社)、『歴史学入門 新版』『ヨーロッパ近代の社会史』(以上、岩波書店)、監修に『超約 ヨーロッパの歴史』(東京書籍)などがある。
Posted by ブクログ
政治、経済、歴史、文化、芸術、思想、宗教、料理、建物、街並み、国民性。
知的関心の全てが詰まっていると言っても過言ではない一冊。
王政→共和政→帝政とたびたび転換する中で徐々に形作られていった今の政治体制、パリコミューンに代表される市民の政治への参加、議会政府とカトリック教会の分離、国民主権、国民国家の概念、主権は国民にあると高らかに宣言した憲法の制定、ナポレオンによる文化財の蒐集、ナポレオン法典に始まる民法の制定、オスマンによるパリの街づくり計画、法治国家(人間の不可侵にして譲渡できない権利の普遍的価値を尊ぶ国家 p.410)、中央集権的支配体制、西欧列強諸外国との緊迫と協調の繰り返し、などなど、いまの世界秩序、ヨーロッパ的世界観はいまのフランスという国がたどってきた歴史そのもの。世界を俯瞰する上で避けては通れない国、フランス。
p.412
個別の問題をいくら積み重ねても、全体的な歴史像、ないしは時代蔵の再構築には直結しません。個別の問題は、他の諸問題との関係においてしか、その歴史的位置づけを明確にすることはできないからです。問題の連関、要素連関を問うこと、解釈することが大切なのです。
ですから、多様な個別の要素を含みこみ、ある期間を通して現実化していた歴史を大きく捉え、描いてみることも、欠けてはならないことです。時代の全体的な状態を描かなければ、その中に個別の問題を置いてみることもできないでしょう。
Posted by ブクログ
フランス史を勉強した方が良い理由が、胸がスッキリするほど共感できた。まだ読み途中だが、冒頭で筆者の主旨に賛同できる場合大抵は続きも面白いので、個人的には楽しみな本の一つ。
Posted by ブクログ
苦手な世界史、特にヨーロッパ史を克服するために読んだ本その3。
全体を見てるとぼんやりとしていたところが、中心になる一つの国に絞ることでかなり理解が進んだ手応えがある。
Posted by ブクログ
正確にはフランスという国と言うよりも、フランス辺りの歴史という感じでしょうか。
入門書としてとても分かりやすく、雑然としていた頭の中の情報を整理できた。
Posted by ブクログ
マリーアントワネットの日記を読んで、フランス史に興味が出て購入。
ケルトからEU成立までの2000年を超える歴史が400ページほどでつらつらと綴られている。
高校で世界史を学んでいたが、人名や地名といった固有名詞を記憶していただけで、いざ説明をするとなると「ナポレオンはすごい人」「ルイ16世とマリーアントワネットは悪い人」ぐらいしか言えなかったので、そういった覚えているだけの固有名詞たちに本書のおかげでたくさんの情報を紐づけることができた。本はいつもノートをとりながら読んでいるのだが、40ページを超えたぐらいだ。
読んでて楽しかったのは中世から絶対王政が始まる前。人名は「○○何世」しかいなくてややこしく、出来事は冷静に考えてみたらむちゃくちゃしてる感じが大好き。百年戦争や聖バルテルミの虐殺あたりが勢いあっておすすめだ。
学生の時は苦行だった中世が楽しく読めたのは、本のはじめに「一国の歴史の集まりで世界史をみないように」と著者が注意してくれたからだ。繰り返し警告してくれているが、国のかたち、政治のありよう、人々の常識が今と昔とでは全く違うことを念頭に置くことでこんなにも昔の時代を読むのが楽しいものなのかと読み進めながらびっくりした。
読み切るのに2週間近くかかってしまったが、その2週間は知識欲が満たされてとても幸せだった。興味のある方、ぜひ手にとってほしい。
Posted by ブクログ
フランス通史。
2000年を一冊で語るのだから割愛する点が多くなるとは思うが、やはりどうしても「ここをサラッと飛ばすのか!?」と思う箇所がいくつかあった。
また、文章が時系列を行ったり来たりだったり、何を主張したいか分かりづらく、自分には合っていないと感じた。
ともかく、フランスの通史を概観するという目的は達成できたので、今後さらに深掘りできる書籍に取り組みたい。
Posted by ブクログ
フランス旅行前に頑張って読んだ。
世界史にある程度精通している人なら楽々読めるのかもしれないけど、恥ずかしながら無知なので難しい部分もあった。それでも大体の部分は理解でき、たまに挿入されている地図や絵画なども良かった。