あらすじ
「コンプレックス」という言葉は日常的に用いられるが、その意味を正確に理解している人は少ない。それは、現代なお探険の可能性に満ちている未踏の領域、われわれの内界、無意識の世界の別名である。この言葉を最初に用いたユングの心理学にもとづいて、自我、ノイローゼ、夢、男性と女性、元型など、人間の深奥を解き明かす。
人前であがってしまう、要領が良くない、暗記が苦手……などなど、何かがうまくいかないことをコンプレックスに感じた経験がある人は多いと思います。しかし、どうして私たちはコンプレックスを感じてしまうのでしょう? そもそもコンプレックスとは何なのでしょうか?
本作は、「コンプレックスとはどういうものなのか」といった基礎的なところから、「コンプレックスと普遍的無意識」といった専門的なところまで深く解説しています。いくつかの具体例を挙げつつ、分かりやすい言葉で説明しているため、心理学に疎い人にも読みやすい文章になっています。
私が本作を読んで特に印象深く思った点は、「コンプレックスのあり方は今の自分のあり方と関係する」というところです。「自分のコンプレックスがどう成立したのか」について考えることは、今までの自分を振り返ることになります。コンプレックスと向きあうことは、自分を知る一番良い選択肢かもしれないと感じました。
不安を感じ、これでいいのかと悩むとき、ぜひこの本を手に取ってみてください。きっと一緒に悩みぬき、答えを探してくれることでしょう。
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Posted by ブクログ
影の現象学も良かったけど、個人的にはこちらの方がわかりやすかったかも知れないです。とても面白くて夢中で読んでしまいました。
1971年に発売された本だけど、現代にも通じる部分もところどころあって、特に後半の大学の話は既視感…と思いながら読んでいました。
河合隼雄先生は精神分析やカウンセリングを「泥臭い大変な仕事」とよく表現していて、その言葉を聞くたびに身が引き締まるような感じがします。
Posted by ブクログ
コンプレックスが指す本来の意味について知ることが出来ました。日常的に使用されている意味は劣等感の意味で、本来の意味は別でした。
三宅香帆さんがオススメしていた新書で70年代の本です。「コンプレックスは悪いものではないと学んだ」と三宅さんが言っていたのは、半分正解で半分不正解でした。本来の心理学用語としてのコンプレックスは悪いものでは無かったです。
自身の経験に照らし合わせながら読むことが出来て、それを言語化してくれているように感じました。私は二重人格ほどではありませんが、うつ病を患ったときにある面を抑圧してしまい、それを閉じ込めている状態でした。その面と対話して、対決して、それを統合することが出来ました。本書でいうトリックスターの部分で、やはり彼とは会えなくなってしまいました。そしてその寂しさがあるのも分かります。これを死と表現した筆者に感服しました。確かに一つの死があったなと思います。
自我と自己の捉え方は非常に勉強になりました。自我を中心として意識が表面可している一方で、無意識を含んだ自己があると知りました。確かに意識している私だけではなくて無意識も私であります。真の自分といえる、自己の存在について知識を得ました。
手元に残して何度か読み直す本になりそうです。