あらすじ
胎児に心はあるのか? イヤイヤ期はなぜ起こるのか? 思春期に感情が爆発しがちなのはなぜか? 個性はいつ、どのように生まれるのか? デジタル化社会は子どもの脳と心にどのような影響をもたらすのか? 生物としてのヒトは、直線的に成長していくわけではない。複雑な曲線を描きながら「連続性」と「多様性」をもって変化していく。その複雑な軌跡を科学的に説明することができれば、ヒトが発達する過程で起こる不思議な現象を正しく理解することができる。ヒトの脳と心が生まれ、発達していくという生命現象を真に理解するための一冊。
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Posted by ブクログ
児童の発達に関する研究はともすればこうすべき、ああすべきという議論に陥ってしまいがちだと思っていたが、本書ではエビデンスによって言えること/言えないことの区別が明示されている点が多く、安心して読めた。
脳のシナプス密度が幼少期に最大化し、刈り込みにより25歳あたりまで減少していくという話は興味深かった。
刈り込みがエピジェネティクス的な要因として、発達に大きな影響を及ぼすという話は自分自身の発達の系譜についての考えを豊かにした。
Posted by ブクログ
心と脳の発達の過程を科学的に追究している。乳幼児とチンパンジー、早産児と満期産児の比較、触覚が脳の発達に与える影響の大きさ、脳の各部位の発達時期の違い、等々、興味深い研究成果が次々と紹介される。そして今後のVRとリアルが混在した時代における子どもたちの心と脳の発達に思いを馳せ、それに向けて我々が留意すべき点を挙げている。これらの知見は、出来るだけ早く社会に広く共有されるべきだと思う。
Posted by ブクログ
ヒトが長い時間をかけて環境に適応しながら獲得してきた身体は、環境と動的に相互作用を繰り返し、相互作用のしくみ自体を変えることによって脳と心を創発、発達させていく。この基本的事実から、ヒトの脳と心の発達の本質は、少なくとも二つの表現によって示される。「連続性」と「多様性」である。
乳児は、抱かれ、授乳されると身体内部に心地よい変化を感じる(内受容感覚)と同時に、目を見つめられ、多様な表情変化を見せられ、声をかけられながら、養育者の匂いを感じる(外受容感覚)経験を得て育つ。こうしたヒト特有の環境は、内受容感覚と外受容感覚の統合を促し、ヒト独自の脳と心を生み出す。
ヒトの脳は右肩上がり、線形的に発達するものではなく、環境の影響をとりわけ強く受けやすい特別の時期、感受性期に集中して発達する。脳の感受性期の開始と終了のタイミングは脳部位により異なっていて、視覚野や聴覚野では発達初期に始まり、生後八年までには終わる一方で、前頭前野の感受性期は二五歳あたりまで続く。
Aiの発展の方向性
未熟児に対する育成フォロー
Posted by ブクログ
脳や心の適切な発達・形成がなされるためには、その過程で環境の影響を受けやすい脳発達の感受性期にどのような環境下に置かれるか、社会的経験をするかが非常に重要であるということが良く理解できる。初期の脳の感受性期に受けた身体・環境の相互作用経験が、後の脳の発達を左右してしまという事実は、しっかり認識すべきだと思う。
Posted by ブクログ
人におすすめされて読む。
難しいけれど面白い。
発達の感受性期があり、精神疾患にかかりやすい年齢層がある。
環境の影響を受けて発達の多様化が起こる時期。脳の発達が起こりやすい時期がある。
脳と心で子育てをする。身体を通して他者と相互作用することで発達するのが人独自の育児システム。
AIによる育児のみではアタッチメント形成ができない。
仮想現実と現実がごちゃ混ぜになった現在、成長する子どもの脳は今までとは異なった発達をすることが推測される。
科学的根拠に基づいて、子育て支援施策は策定されるべき。