【感想・ネタバレ】ミッドナイト 4（少年チャンピオン・コミックス）のレビュー

手塚治虫

深夜のみ営業の個人タクシー運転手・ミッドナイト。さまざまな事情を抱えた乗車客との、悲喜こもごもの連作短編！ ある夜、上目黒三丁目まで行きたいという女の子を拾ったミッドナイト。女の子の様子がどうもおかしい。まるで成人男性のようなものの言い方をする。行き着いた番地にたっているのは長らく空き家となり、立ち腐れている屋敷だった。女の子には霊がついているのか！？（ACT.4）他、9編を収録。

[ブクログ · ★★★★★]

最初はクールな言動が多かったミッドナイトだが、４巻目の彼は非常に表情豊か。
ちょっと悪そうな表情が多いけれども、笑顔も各エピソードで見られるのがよい。
これも、これまでの乗客とのやり取りでミッドナイトが影響された結果なのだろう。
一番印象的だったのはミッドナイトが童話作家のサイン本を受け取るエピソード。
自分に息子ができたらこの本を渡したいのだと語るミッドナイトの表情が優しくてぐっとくる。
彼女を生かすためだけに生きてると言っていたミッドナイトだけに、未来の自分のことも考えられるようになったんだなと思うと感慨深い。