あらすじ
古代から今まで連綿と伝わる和歌文化。現代でも和歌に触れ、鑑賞する機会は多々あるものの、各時代、実際にどのように詠まれ、和歌が人々の暮らしの中でどのような役割を果たしていたのかは意外と知られてません。本書は、個々の和歌の解釈や修辞に注目するのではなく、日本人が和歌とどのように触れ合ってきたのかを探り、現代生活にも通じる親しみやすい内容で和歌の文化史をたどります。イラストでわかりやすく解説します。
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Posted by ブクログ
にわかに思いついて初めて読んだ和歌の本。
和歌ってなんだろうという素朴な疑問が解消された。このまま教科書に載っていてもおかしくない、やさしくわかりやすい解説。和歌の種類や役割について時代を追って紹介している。
個人的には江戸前期の御伽草子に含まれる和歌の話が面白かった。絵本の浦島太郎や鉢かつぎ姫などの原型である御伽草子には和歌が多く含まれる。庶民の日常と高尚なイメージの和歌のミスマッチが笑えたという。
標語や教訓の伝達のためにも和歌の形式は昔から重宝されていたようで、現代の安全標語や社訓が五七五七七なのは歴史ある用法なのだった。