あらすじ
織田信長と武田勢の決戦は、刻一刻と近づきつつあった。漢方問屋・倶梨伽羅屋弥九郎こと若き小西行長は、信長の密命を帯び、自由貿易都市・堺の命運を担って、黒潮猛ける大海原を一路マラッカへ向けて押し渡ってゆく、壮大な航海に出発。苛酷な宿業の綾に翻弄される戦国の貴婦人や、青雲の野望を一剣に託した武芸者を乗せて……。歴史の転換期を描く壮大な戦国ロマン。乱世の戦さを根底から変えた信長に、三千挺の銃をもたらした小西行長の航海記録!
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Posted by ブクログ
秀吉に会う前の小西行長の航海を好き勝手に書いちゃうぜフィクション。
時代考証については???と感じる部分もありますが、エンターテイメントとして文句なく面白い!
行長のキャラクターは、少女漫画に出てくる正義の香港マフィアのよう。
16世紀末の夜にネオン(提灯)煌めかす魔界都市・堺の裏社会に幅を利かす、大店の若(跡継ぎの貫禄)。
派手な服着て太夫を侍らせ、あくどい運びも請け負い、腕っ節は滅法強い。大胆で野心家で、でもときどきふと、キリシタンとしての苦悩をのぞかせる……
賢く、強く、かっこいい。
この行長なら清正とも仲良くなれそうな。
ただの完璧なヒーローだと鼻につくこともありますが、堺の実力者や秀吉、信長の凄さが更に上に描かれていますので、それがかえって魅力になっています。
長編小説を2時間映画にしたような場面転換、歴史的に「それはどうなの!?」と驚くようなシーンなどなどありますが、戦国エンターテイメントとして面白すぎました。
好きだ。ほんとに映画で見たい。
派手で華やかで爽快で、絶対面白いと思う。