あらすじ
昭和20年、終戦の日に父が自決。それは6歳の数馬(かずま)に大きな傷を与えた。成人しても信ずるものは、屏風に張る金箔の美のみ。だが、傷を負ったのは、数馬だけではなかった。姉・篤子、保江もそれぞれ不倫関係を重ね、不毛な愛に溺れてゆく。鎌倉を舞台に、滅びというテーマを、愛憎を通して描いた不朽の名作。美しくも哀しくもある純愛のかたち!
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Posted by ブクログ
よしもとばななさん経由で初めての立原正秋。なんとも言えない気持ち。文体?登場人物の話し方?何かは分からないけど、根底に美しい流れがある。だけど、表面的ではなくて人間の欲がしっかり描かれている感じ。滅びという若干中二病感があるものに取りつかれているところは正直現代人になりすぎてしまっているのか、共感はできない部分もある。
大衆向けのようであり、純文学のようで、なんだか不思議な小説だった。他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
私が読んだのは妹の本棚にあった古い頃の春のいそぎでした。
最近新装版で刊行されたようですね
二人の姉妹と弟の恋愛を描いた名作が復刻!終戦の翌日に自決した父。心に傷を負った篤子、保江姉妹と、その弟・数馬は成人した後、それぞれが恋愛に悩みを抱えるようになる。
Posted by ブクログ
父親が自決したことで心に傷を負った姉2人と弟が、
それぞれ大人になってからの不毛な恋愛関係に悩み溺れてゆく話。
内容自体はドロドロ感満載のようでいて、
主人公の数馬の立ち居振る舞いが思いの外サラッとドライな感じなので、
愛憎劇と言うにはちょっと拍子抜け。