【感想・ネタバレ】牛乳は子どもによくないのレビュー

あらすじ

「児童・生徒の体位の向上」のため、学校給食で牛乳が強制されるようになってから六十年が経つ。この間確かに子どもの平均身長は伸びたが、その理由がカルシウムとは関係なく、単に食べ物が豊かになったためだとしたらどうだろう。そして、牛乳ががんの原因になる可能性があるとしたら……? 著者は牛乳に含まれている女性ホルモンが、女性の乳がんと男性の前立腺がんの最大の誘因であると考える。さらに、英国王立医学協会終身会員であるジェイン・プラント氏が唱えた、成長因子IGF-1が乳がんの原因になるという仮説も紹介する。さらに、高タンパク質食である牛乳を飲むと、骨粗鬆症をむしろ助長する可能性があることも指摘。バター、チーズなどの乳製品、さらに牛乳を多く含んでいるパンや洋菓子を好む大人にも注意を促す。その上で、非妊娠牛から安全なミルクを生産し輸出する、日本の酪農の新たなモデルを提案する。

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Posted by ブクログ

牛乳神話ともいえるものが、ほとんど疑問を持たれることなく築かれている日本に於いては、本書の内容に拒絶反応を示す人が数多くいるだろう。
また、本書が「ブランチ」等のメディアで取り上げられることもないだろう。
それ程、我々にパラダイムシフトを求める内容だ。
反論も勿論あるだろうが、離乳期を過ぎてからも飲み続けている女性ホルモンたっぷりの牛乳がどのように生産されているかを知れば、これからの“付き合い方”を再考せざるを得ないはずだ。

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2015年03月01日

Posted by ブクログ

カルシウムの摂取量を増やしたことで骨粗鬆症や骨折が予防できるわけではない。ましてや牛乳を飲めば骨折が予防できるわけもない。恐るべきことにカルシウム摂取量の多い国ほど骨折が多い。無駄に摂取するから骨が脆くなってしまうと考えられる。すべての栄養素に言えることであるが、食べるものが乏しければ人間は少ない栄養素を効率よく使って生き延びるという生物学的能力を働かせる。骨以外のところで存在するカルシウムは1グラム程度。余分なカルシウムはほとんど糞便となって排出されているのが実態。加えて牛乳は乳癌や前立腺癌の原因となっている可能性が極めて高い。牛乳は決して健康食品などではない。嗜好食品にすぎないのである。しかと心得たい。

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2015年04月03日

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