【感想・ネタバレ】ナチス 破壊の経済 下――1923-1945のレビュー

あらすじ

「過去20年間で出版された、もっとも重要かつオリジナリティあふれる第三帝国についての書だ」――ニーアル・ファーガソン(『キッシンジャー』)「軍事戦略史と、経済史を生みだす洞察を、非常に読みやすいかたちで調和させている」――『エコノミスト』誌「さまざまな先入観を打ち砕く傑作だ」――ベルトラン・ベノワ 『フィナンシャル・タイムズ』紙「経済史が持つ説得力を見事に示している」――ハワード・デイヴィーズ 『タイム』誌「本書のすべてのページに、新鮮かつ示唆に富む内容が含まれていると言ってもいい」――マイケル・バーリー 『サンデー・タイムズ』紙下巻では、西部戦線の開戦(1940)から、バルバロッサ作戦、ジェノサイド、シュペーアによる軍備の奇跡、そして敗戦(1945)までを扱う。二正面戦争に突入したドイツが、いかにして雪のロシアまで戦争活動を巧みに維持したのか、占領した東欧とロシアの資源をナチはどのように利用しようとしていたのか、ホロコーストの経済的側面の全貌とはどのようなものだったのか、「シュペーアの奇跡」の実態とは。破壊に向かって突き進む総動員経済の終幕を描く。

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Posted by ブクログ

下巻の本書では、第三帝国の第二次大戦での、初めての大勝利だった対フランス戦から、同帝国崩壊までを著しています。上下巻でそれぞれ700ページ以上あったので、まず読み終えた達成感があります。ナチスに関する事前の予備知識は殆どなかったものの、訳者あとがきで現在でのナチスに関する各専門家の一般的な考察も大雑把ではありますが読めたので、本書の革新的なナチス経済の見解との違いをよく知ることができました。補遺にあるように多くの経済的な数値から導き出される当時の連合軍相手に戦った時のドイツの逼迫した経済状況は、もはや異常なものであり、国自体が日を増すごとに衰退していく様子がはっきりと分かります。本書は、ナチス分析本の白眉と言ってもいいぐらいの詳細な情報とドラマを観ているような興味深さがあり強く印象に残る一冊でした。

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2020年03月15日

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