【感想・ネタバレ】テレビの国からのレビュー

あらすじ

最新作『やすらぎの刻~道』から、代表作『北の国から』『前略おふくろ様』まで――。
ドラマ界の巨匠が、テレビの裏側をすべて語りつくした最新刊!
「やすらぎ世代」にも目に優しい、大きな活字で読みやすくしました。
シナリオライターを目指す若い人たちにとっても必読の書です。

《おもな内容》
第一章 昭和から平成、令和をつなぐ物語
――「やすらぎの郷」「やすらぎの刻~道」
第二章 戦後日本を総括する物語
――「北の国から」
第三章 東京を離れて見えた物語
――「6羽のかもめ」「前略おふくろ様」「りんりんと」「幻の町」「うちのホンカン」「浮浪雲」
第四章 富良野がつないだ物語
――「昨日、悲別で」「ライスカレー」「風のガーデン」
第五章 若き日の物語
――「文五捕物絵図」「わが青春のとき」「君は海を見たか」「玩具の神様」
第六章 これからの人に贈る物語

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Posted by ブクログ

▼70年代からつい先日の「やすらぎの里」シリーズまで、大活躍の脚本家・倉本聰さんの、まあ自伝的エッセイでしょうか。タイミング的には「やすらぎの里」の続編放送の頃に出たみたいです。

▼何かで別の倉本さんのエッセイを読んだのか?と思うくらい、作劇法とかエピソードはけっこう既知のものもありましたが、するすると読みやすく。個人的には倉本作品って、ちゃんと味わったのって・・・・「あにき(高倉健唯一の連続テレビドラマ)」 「北の国から(のうちの、スペシャルになってからの数編)」「駅」「海へ」などの高倉健映画… だけなんぢゃないかと考え、意外と見てないなあ…と思いました。

▼70年代80年代、テレビの黄金時代のヒットメイカーの話ですから、どうしてもそりゃ自慢になりますね。そこは割り引いて読んでまあまあ楽しめました。エピソードとしては、山田太一さんとそれなりに付き合いと同志意識があった、というのが興味深かったです。

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2024年06月01日

Posted by ブクログ

これまでも、エッセイ、テレビで知ってる話もあるが、それ以外の話もあって興味深い。フランクに書かれてると思う。山田太一が倒れたことは知らなかった。この年代で一人気を吐いている。

『2018年12月から、テレビの4K、8K放送が始まりました。いったいどれほどの視聴者が画素数で番組を見るというのでしょう。せいぜい家電業界や、関連するシステムやサービスを提供する会社が潤うだけです。国はテレビのハード面にばかり力を入れて、ソフト面をないがしろにし過ぎたと思います。俳優や演出家の質を上げることにいくら金をかけても、直接的な経済効果に結びつかないからでしょう。だから、テレビをテレビ文化として真剣に育てようという意識がない。』

『CMにたくさん出れば儲かるかもしれませんが、僕から見ればすごくもったいないことです。タレントと役者の違い。それは一緒に喫茶店に入ると分かります。タレントは人に見られないように壁に向かって座る。一方、役者は人を見たいから壁を背にして座ります。普通の人の生活を知らないと演じられないので一生懸命、観察するんです。

役者も脚本家もそうですが、われわれの仕事は「発信」することだと思われがちですが、実際それは30%程度しかありません。残りの70%は「受信」なんです。普段の生活の中でいかに多くのことを受信できているか。それがものすごく大事です。』

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2020年05月05日

Posted by ブクログ

『おとなのデジタルTVナビ』(産経出版)の2015年8月から19年8月まで連載したものに加筆、再構成したものだが、『ドラマへの遺言』(新潮新書)と内容がダブっている部分が多く、密度も『ドラマへの遺言』の方が充実している。
もし、この2冊を手に取って、どちらを選ぶかを迷っている人がいれば、迷わず『ドラマへの遺言』をお勧めいたします。

内容は、
第1章 昭和から平成、令和をつなぐ物語 「やすらぎの郷」「やすらぎの刻」
第2章 戦後日本を総括する物語 「北の国から」
第3章 東京を離れて見えた物語 「6羽のかもめ」「前略おふくろ様」他
第4章 富良野がつないだ物語 「昨日、非別で」「風のガーデン」他
第5章 若き日の物語 「文五捕物絵図」「ガラス細工の家」他
第6章 これからの人に贈る物語

第6章では、昔のようなテレビを見る習慣が崩れた今でも、テレビ局は「視聴率第一主義」「ゴールデンタイム信仰」「F1F2層(20~40代の女性)のターゲット主義」から抜け出せないでいることに対して痛烈に批判し、番組の質が堕ちていくことを嘆いている。
テレビという媒体が生き残るためには、上記の考え方から脱却しなくてはならないと提言している・・・これは著者が東京を離れた北海道にいるから見えてくるのかも知れない。

脇道にそれて、印象に残っているのは、「人間的にはいろいろ言う人がいるが、(ショーケンは)役者としては天才だった」と、著者はショーケン(萩原健一)をかなり評価していることだった。そして「いしだあゆみ」の言葉を紹介している。「いしだあゆみがショーケンと結婚していた頃に、『364日はひどい人だけど、1年に一度の笑顔で、一緒になってよかったと思う』」
・・・若い時に「いしだあゆみ」のファンだった私からすれば、言って欲しくないセリフです

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2020年04月26日

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