あらすじ
ブス本人は変わらなくていい! 社会が変わる! 容姿差別は、気にする方が「気にしないように」と考えや容姿を変えるのではなく、加害者の方が変わる方がいいんじゃないかな。 被差別者が変わるんじゃなく、社会が変わった方がいいんじゃないかな、と書きました。 (山崎ナオコーラ) 性別とは? 差別とは? 社会とは? よみもの.comでの好評連載がついに書籍化! ---------------------------------------------------------------------------- “「ブスには自信を減らしてほしい」という考え方には与しない。” うん、最高! 現代社会に燦然と輝く希望の書。 はるな檸檬さん(漫画家)推薦。 ---------------------------------------------------------------------------- 社会を変えたいと思う。 私はこれまで、他のテーマで書いたエッセイの中に、「ブス」という単語をちらりと紛れ込ませたことが何回かあった。 すると、大きな反響があった。多くの人が「ブス」という言葉に関心を持っているようだ。 ただ、その反響の多くが、「頑張ってください」というものだった。 つまり、「『“ブス”という単語が出てくる文章』=『劣等感の放出』」と捉えられてしまうのだ。 慰めたり応援したりするのが読者の務め、と思わせてしまう。 「社会は変えられない。だから、『ブス』に関する文章っていうのは、個人の苦しみを吐露するだけのものだ。 その言葉を聞いたり読んだりしたら、個人を応援し、個人の気持ちを緩和させてあげなくてはならない」と多くの人が考えてしまう。 違う、と私は言いたい。「ブス」は個人に属する悩みではない、社会のゆがみだ。社会は変えられる。 (あとがきより)
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Posted by ブクログ
直接的には美醜の問題に関係なさそうな事柄も述べており、意外にも社会派なエッセイだと感じました。
題名から単純に「ブスが自信を持てる、前向きになれるような著書」だと思って読むと少し肩透かしを食らうかな?といった印象です。
「美人はそうでない人に比べ3000万円得をする」なんて話も話題になっています。美人とブス、普通な容姿の人を同等に扱えとは言わないから、せめて差別のない社会になってくれると浮かばれる気がします。
「トロフィーワイフ」という言葉は本著で初めて聞きました。逆に高学歴で高収入な男性と結婚した女性がSNSのアカウントのプロフィールにわざわざ書いていたのを以前見かけたことがあったので「トロフィーハズバンド」といった文化もあるような気がします。
私自身重めの奥二重がコンプレックスなので「まぶた」や「化粧」の項目は興味津々で読みました。
私は「お化粧やお洒落は自分に自信を持ち戦闘力を上げる武器」だと考えているのでここぞ!という日には必ずお化粧をします。でもそうでない日は肌を労りたいのでノーメイクで過ごします。
性別に関係なくお化粧をしたい人(日)はお化粧をし、したくない人(日)はしない、そんな自由が認められていけばいいですね。
Posted by ブクログ
「自分に自信を持てるようになりたい」
そんなことを、考えたことがありますか?
「自信」とは、自分を信じることができること。
自分のことなので、自分で、自分を信じればいいのだけど、 それが、すんなりといかないから、悩みになる。
なぜ、すんなりといかないか?というと、 自分を信じられるような何かを見つけられないから。
何かを見つけていても、それを信じ続けることに不安を伴うからだと思う。
山崎ナオコーラさんは、エッセイ「ブスの自信の持ち方」の中で、次のように書いている。
批判やバッシングでつけられた傷は、批判やバッシングがなくなったときに治るわけではない。 他人からの賞賛や拍手によって、回復できるわけでもない。 おそらく、自分の行った努力だけが、自分を助けてくれる。 自分が目標を定め、自分が努力をして、それを自分が認識したときに治る。 自分だけが自分の自信を回復できるのだ。
ここで指摘されているのは、誰かの評価軸を基準にして努力することは、意味がないということ。
自分が作った基準を自分で努力してクリアしていく作業をすることで、自信が持てるということです。
私はコーチングのクライアントさんに、「例えば、1年後の自分を想像して、どんな状態になっていたいか?」 を考えてもらうことがあります。
「こうなっていたい」という状態を思い浮かべる時に、 本当に、自分自身がそうなりたいのか?ということも、改めて、問い直していただくようにしています。
友達から見た自分だったり、親から見た自分だったりを気にして、「こういう自分になりたい」を考えており、 本当に自分自身がそうなりたいのか?改めて考えていただくと、「あれ、違った」ということに気が付かれることもあります。
周囲を気遣うことができ、学校でも比較的成績が良かった方は、他人の基準を自分の基準にしていることに気が付かず、 他人の基準と照らし合わせているために、自己評価が低くなっていたり、 いくら努力しても充実感が得られなかったりして、悩んでいることもある印象を受けます。
コーチの問いに答えているうちに、ご自身の中にある矛盾に気が付くことが、自信を持つための第一歩だという気がします。
山崎さんの著書は、 「ブス」というワードを切り口にしていますが、上下関係、ハラスメントがある関係を切り抜けていくために参考になる考え方、 「どう生きていくか」を見つけていくためのヒントが書かれている本だと思います。