あらすじ
信長、秀吉、家康から弓の名人と認められた実在の老将大島光義。鉄砲より優れた連射技と一射必殺の狙撃の凄腕で名を上げ、八十四歳の時、八坂の五重の塔の最上階天井に十本の矢を射込んでみせた。九十三歳で関ヶ原に参陣、生涯現役を貫いた剛直無双の士だったが、激動の時代に大島家を守り抜いた臨機応変の人でもあった。史書に「百発百中」と記され、九十七歳で没した傑物を描く力作歴史小説。(解説・本郷和人)
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Posted by ブクログ
大島光義のことはまったく知らず、名も無き1人の弓大将の関ヶ原を創作したのかと思って手に取った
題名に反し、関ヶ原に至るまでのストーリーが大半で、光義の出世を追うことができる。とはいえ、登場時で40代なのだから凄い。
様々な武将に仕え、最後は大名としてどうするかというところに至った大島の物語を、とても興味深く読んだ。
Posted by ブクログ
弓大将 大島光義。正直これを読むまでこの老将の人生など知る由もなかった。歴史を紐解くとかなりきわどい人生ともいえるが、途中を省いても信長、秀吉、家康と天下の三英傑に仕えながら鉄砲の時代でもかたくなに弓を引き搾り洗浄に立った男の物語である
「九十三歳の関ヶ原」
それにしても道三の没落の戦から始まり、九十三歳で迎える関ヶ原。衰え知らずの弓の腕はその弓の軌道でさえもまげて次々と兵を倒していく。最近では大物武将ではなくこういった目立つ小規模の武将にスポットを当てた作品が多くなっている。
物語りを作り上げることができるのかと思いきや、この大島光義に関していえば前出の三英傑の人生ともかかわっているので、読みやすい!読み終えてしまえば平凡といえば平凡なのだが、なかなかに面白い!