あらすじ
谷川俊太郎第三詩集と第一エッセー集の合本。
『愛について』は1955年の刊行。
いつまでも
そんなにいつまでも
むすばれているのだどこまでも
そんなにどこまでもむすばれているのだ
弱いもののために
愛し合いながらもたちきられているもの
ひとりで生きているもののために
いつまでも
そんなにいつまでも終わらない歌が要るのだ
・・・・・・・・・
と始まる抒情的とも思える詩について(タイトルは「愛」)、詩人は言う。
<そのころは、一種理想主義的な、愛に対する過剰な思い込みがあったんでしょうね。若かったんですよ。……ただ、これも、ぼくには愛の形だと思えるんですけどね>
そして『愛のパンセ』は1957年に刊行された初のエッセー集。
<私は自分の青春を、愛というものと切り離しては考えられない。私はすべてを愛を中心にして感じとり、考えた。愛こそ最も無くてはならぬものであり、それ故に私はいつも愛に渇いていた>
谷川俊太郎の若さ溢れるこの2冊は、谷川ファンだけでなく、若い読者にも新鮮にとびこんでくることであろう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
恋、愛についての概念が
叙情的に書かれている
モヤモヤする切ない気持ちを
どう解釈して受け入れて納得できるのか
抽象的ではあるけど
抽象的だからこそ
共感できる言葉や文が見つかった
Posted by ブクログ
谷川さんの言葉ってなんでだろう。すべてがあったかい気がする。
それぞれのテーマでの見方、感じ方がすんごいだよなぁ。。それに加えての自分との対話よ。。。
Posted by ブクログ
谷川俊太郎さんの新刊詩集・エッセイです。
新作ではないのですが、久しぶりに谷川俊太郎さんを読んで、懐かしい場所に帰ってきたような気持ちがしました。
乾いたスポンジにどんどん水が染み込んでいくみたいな気持ちとでも言えばいいでしょうか。
それとも、朝、樹々の葉からすべり落ちてきた雫を掌に受け止めたときのような気持ちでしょうか。
まだ読んでいない、谷川さんの詩があったなんてなんて幸せなんだろうと思いました。
もちろんおなじみの詩も数編入っていましたが。
前半は『愛について』という谷川さんの第三詩集で後半は『愛のパンセ』という1957年刊行のエッセイ集です。
解説は江國香織さんです。
「歩く」
異国の教会は語るだろう
夕陽からの釣橋について
崩れた壁画からの笛について
銃眼からの道について
遠い森からの沈黙について
僕は語らぬだろう
弱い獅子について
明るい旗について
錆びた銅像について
地球の半面の影について
戦争もやがてはひとつの風景だ
そして僕も亦
夕暮に今日と明日とがあるように
僕は歩き
僕は歩く
「夕方」「少女について」「星」「kiss」「地球へのピクニック」「牧歌」「生きる(有名な絵本とは別の詩です)」「泣く」もよかったです。
エッセイは途中に詩を数編はさみながら男性、女性、恋愛、ベートーヴェン、愛について、他です。