あらすじ
インターネットの初期に描かれた分散・自律・自由の夢はGAFAなどのプラットフォームへの情報集中によってなくなったかのように思えます。
中心的な管理をともなわないブロックチェーンの技術は、こうした一極集中を破壊し、新たな可能性を築くものです。
一連の仮想通貨市場の混乱と停滞によって期待が落ち着いたかにみえるブロックチェーンですが、その可能性は消えるどころか、世界的な産業の取り組みや、実証実験の進展によってますます高まっています。
この本は、これまでテクノロジーとして語られたブロックチェーンをビジネスの手段として捉え、既存産業にどのようなインパクトを与えるのか、どのようなビジネスモデルを描けるのか、人・組織・社会の将来イメージをどのように描けるのかをベンチャー創業者の経験と実践、ビジョンを踏まえた視点で書き下ろしたものです。
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Posted by ブクログ
ブロックチェーンについて、その根幹的な概念から将来もたらす社会的影響まで述べた本。ブロックチェーンが向かない点やリスクにも触れており、一般的な技術解説的な本よりも社会的な視点に立って書かれている。
ブロックチェーンはビジネスレベルでは到底活用されておらず、「WHY BLOCKCHAIN」の壁を超えられないケースかほとんど。そもそも現行で機能しているシステムをブロックチェーンで置き換えても効果は薄く、ブロックチェーンで新たな仕組みを生み出すことに大きな価値がある。また、長らく中央集権型の枠組みで成り立ってきた社会に、ブロックチェーンが作り出す管理者のいない分散型社会は受け入れられづらい。
中央集権型から一気に分散型へ移行するのではなく、まずはプライベートブロックチェーンで中央集権ハブを複数持った非中央集権型(DAO)を目指していくべき。
個人に自立と責任を求めるDAOの世界観がが極端な資本主義を加速してしまい、民主主義が破綻するリスクがあるというのは特に興味深かった。
Posted by ブクログ
ブロックチェーン技術を、ビットコインのような暗号資産から距離を置いて話している。まあ暗号資産の話もするんだけど、ブロックチェーンの本質はそこではなくて、社会を変革する力がある、というのが著者の主張。
書名にもあるように、ブロックチェーンを使ったビジネスは、そこに必然性がなければならないと主張している。どうしてブロックチェーンを使うのか。新しいから、流行っているから、ではなく、ブロックチェーンの特性を生かしたものでなければならない。・・・という割には、最後の方で具体的に挙げられているビジネスに、ブロックチェーンを使う必然性がいまいち理解できなかった。