あらすじ
【メニュー】――イラク戦争の取材中に食べた世界一うまい羊肉。チグリス川の鯉の塩焼き。パパイヤだけだった内戦下ソマリアの昼食。カラシニコフ銃の開発者の冷凍ピロシキ――中東・アフリカの戦場や紛争地帯、アフガニスタン、チェルノブイリなど、世界中を駆け巡ったジャーナリストが口にした食の数々は、はからずも「国家」の本質を示していた。実践的文明論の最高峰。
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Posted by ブクログ
『アフリカを食べる』が面白かったので、こちらも読んでみることにした。
紛争の絶えない中東、ホテルの門を護衛なしに一歩でも出たら打ち殺されるソマリア、チェルノブイリの放射能汚染の残るベラルーシなどなど。「食べる」と表題にしているが、「食べる」ことが難しい所ばかり。
筆者があとがきでも書いているように、
食べ物の背後に広がる光景は、日本の私たちの生活とあまりに違っています。
「食べる」ことの背景にある「国家」についても、
「国家」とは「国民に安全な生活を保障すること」
とある。
日本でぬくぬくとクリスマスのごちそうを食べ、お節を食べ…。私たちは幸せなのだ。
Posted by ブクログ
面白い。
大体が、30年くらい前の、中東、アフリカの紛争地の最前線に飛び込んだルポ。そこで食ったものを描写するコオでむっちゃ日常感というか現実感というか生活感というか。
そういうものを感じさせてくれる。
ただ、メインは、そこにある戦場。不条理。
その時に世話になった現地の人たちにどんどんと連絡が取れなくなる。
文章も、乾いた感じだが読みやすくて良かった。
紛争が治らないのは、国が武力、暴力をコントロールできないから。
世界最悪の大量破壊兵器、AK-47がこんなに大量に世界中に出回ったのは、バカな計画経済で大量に作って、代金側にに莫大な数を世界中にばらまいたから。
それを、国家機関が管理できなかったから。
しかもその銃が、最高に性能がいい。
ため息しかない。
それが、世界の現実だ。
コントロールされない暴力。
見事に描いていると思う。
が。
突然、新興国家ゆえ、万系一世というストーリーは不要とか、無秩序な、人民不要の君主社会を日本の戦国時代に例えたりとか、流れに関係なく変な主張をぶっ込んで来るなあ、と思って著者紹介を見たら。
旭日社章の新聞社の関係者だった。
興ざめ。