あらすじ
国家の正統性を示す歴史書である「正史」のひとつ、『三国志』。中国を約400年間支配しつづけた帝国・漢が滅び、群雄割拠の乱世が訪れたとき、英雄たちはどのように生きたのか?「漢」の伝統に寄り添った蜀の劉備と、革新の発想を持った魏の曹操、呉の孫権らのせめぎ合いを、史実に即して描き出す。
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Posted by ブクログ
「三国志」のことが知りたくて読んだ本。読み始めた時は人物の名前を覚えるのが大変だったが、この本を読んで「三国志」のことがよくわかった。この本を読んで、横山光輝先生の「三国志」が読みたくなった。「三国志」のことを知りたい人に薦めたくなる本。
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「三国志」を好む日本人は沢山いる。
だが、それは間違っていると本書は言う。
多くの日本人が好むのは「三国志演義」なのだ。
「三国志」と「三国志演義」とは何が違うのか?
「三国志」は3世紀、晋の時代に作られた正史だ。
(正史は、正しい歴史ではない。正統な歴史)
「三国志演義」は14世紀に書かれた小説。
ただ、本書によれば、事実7割、フィクション3割だと言う。
だから、「三国志演義」は、司馬遼太郎の作品のようなものだ、と考えるのが正しい理解だろう。
だが、司馬遼太郎作品のように登場人物が生き生きとしていて魅力的だ。
どの英雄を好むか、と「100分de名著」のテレビ番組で問うていた。
回答は、三者三様。
曹操を選ぶ島津アナ。
孫堅を選ぶ伊集院。
劉備大好きの渡邊教授。
そうなのだ。
この問いは、回答者の性格が何となく分かるような問いなのだ。
中国にしょっちゅう行って、ハードな宴会を毎晩行っていた時期があった。
初対面の老板(ラオパン)=社長と仲良くなる秘訣は、「三国志(演義)」を話題とすることだった。
三国志に登場する英雄の誰を好むかを問うのだ。
これはかなりの確率で受ける。
中国でビジネスを行う人は、日中友好の材料として、本書読むことは有効だ。
本書は、正史である「三国志」の解説だ。
三国志の三国とは、魏•呉•蜀のこと。
だが、この正史が書かれた時期が微妙なのだ。
書かれたのは、三国抗争の時代が終わり、魏が中国を統一して、晋となった時代。
だから、晋の立場からすれば、魏史のみを書き、呉•蜀などその脇役として書けば良いはずだ。
ところが書かれたのは、魏•呉•蜀を対等に書いた「三国志」だった。
おかしいではないか。
「三国志」の作者•陳寿は魏に滅ぼされた蜀出身の官僚だったのだ。
正史の著者が蜀出身であったために、正史に蜀書も紛れ込まずことが出来たのだ。
「そうだったのか、三国志!」と思わず叫んでしまった。
Posted by ブクログ
演義(物語)の方が、様々な人がリメイクして、あらゆる世代に読まれている。マンガ、映画、ゲーム?等、今なお多くの人を魅了する不朽の名作を知らないままではいられない。そう思い手に取った一冊。
正史(歴史的記述)に記録された人々を追うことによって、当時の世界観や情勢に触れることができた。これを叩き台に、様々な作品を読み比べしてみたい。