あらすじ
孤独を好物にする“つちんこ”と少女の物語。
母の離婚をきっかけに祖母の住む離島に預けられることになる少女。そこは、毎年夏になると家族で出かけた思い出の多い島だ。
複雑な思いをかかえて、島に降り立つと、
「シャッ、シャッ、シャッ、シャッ」
無気味な笑い声を立てて、つちこんこが、現れた。
「もしかしておいらのこと、見えてるのか?」
どこからともなくやってくる“つちんこ”。
「あなた、ナニモノなの?」
「うーーん、おいら、ナニモノなのか……」
孤独につぶれそうになっている子どもの前にだけ現れるのが、座敷童ならぬ“つちんこ”だ。
家族のことで不安な気持ちをかかえる少女と、うさんくさいつちんことの、不思議な物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
つちんこが怖すぎて読みながらやめようかと何度も思い借りたことを後悔していました。
笑い声が特に怖い。
でも最後まで読んだら、少しほっとした私がいた
Posted by ブクログ
難しい家庭環境の中でなんとか生きている子どもたちは、実際にはたくさんいると思う。
表には出さず、心に秘めている子たちも含めて。
登場する子ども、大人それぞれなかなかにシビアな境遇がリアルに描かれている。
もののけの言い伝えの要素も歴史がからんでいるような設定。
村上しいこさんは、短歌や詩が小説にうまく取り入れてある作品が多いが、この小説もそこが魅力の一つ。
Posted by ブクログ
村上しいこさんは児童向けの楽しいお話を書く一方で、少し上のYA世代向けには厳しい現実にさらされた子供たちの物語も書いている。こちらは家族のことで問題を抱える少女と不思議な生き物つちんことの交流を書いている。