【感想・ネタバレ】ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたちのレビュー

あらすじ

社会問題化しつつある「教育虐待」の実態に、教育ジャーナリストが迫る!

「教育虐待」とは、
「あなたのため」という大義名分のもとに親が子に行う
いきすぎた「しつけ」や「教育」のこと。
子どもの限度を超えて勉強や習い事をさせるなど、
親が過干渉し、結果が悪いと暴力につながることもある。

「あなたのため」という言葉を武器に追いつめる親と、
「生きづらさ」を感じて自分らしく生きられなくなった子ども。
どこまでの厳しさは許されてどこからが教育虐待なのか、
教育虐待を受けて育つとどうなるのか……。

気鋭の教育ジャーナリストが壮絶な現場に迫り、
その闇を照らす「救済の書」。

【目次】
第1章 「あなたのため」という呪い
第2章 第一志望に合格しても癒えぬ傷
第3章 摂食障害や万引きというSOS
第4章 シェルター保護は女子が圧倒的多数
第5章 スパルタ教育での〝成功〞は美談か?
第6章 理性の皮を被った感情の暴走
第7章 最凶の教育虐待を生む二つの機能不全
第8章 結局のところ、親は無力でいい

※本書は2015年に毎日新聞出版から発売した『追いつめる親』に大幅な加筆修正を加えたものです。

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Posted by ブクログ

素晴らしい本でした。スッと心に刺さる、澄んだ文章が印象的でした。

冒頭の「はじめに」の最後に書かれていた、

「もしあなたが教育虐待の被害者なら、過去の経験を客観視しその檻から抜け出すきっかけとなることを願う。もしあなたが教育虐待の加害者になることを恐れているなら、その不安を少しでも払拭できればと願う。」

という言葉に、著者の優しさが溢れていて、それだけで期待感がグッと高まりました。

本書で取り上げられているテーマは教育虐待ですが、そもそも「幸福な人生とは?」というテーマにも繋がっているような気がします。教育に、そして人生に、絶対的な正解がないことーーそれを理解することが、不幸な人を減らす第一歩なのではないかと思いました。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち。おおたとしまさ先生の著書。教育虐待は肉体的な虐待と違って目に見えにくいけれど立派な虐待で重大な虐待。教育虐待は子どもたちの心を深く傷つける先進的な虐待。子供のため子供のためと言い聞かせた教育虐待は親の傲慢で自信過剰な思い込みによるもの。過干渉親ほど教育虐待をする。教育虐待をしてしまいそうな過干渉親の自覚が少しでもある人は少し立ち止まって考えること。

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2022年12月16日

Posted by ブクログ

自分は子どもに対して、教育虐待していたのではないかと、反省させられた。
親になる人に読んでもらいたい一冊。

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2021年12月19日

Posted by ブクログ

さすがのおおたとしまささんの本です。
しかも、読んでいて落ち込み過ぎない、反省を促す、最後に何をすべきなのか明確にされていて、行動につなげることができる、という、本来の書籍のあるべき姿なきがします。

私も、反省し、改める機会になりました。

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2019年08月04日

Posted by ブクログ

教育虐待とは、「あなたのため」という大義名分のもとに親が子に行ういきすぎた、しつけや教育のことである。
ここ数年でメディアでも取り上げられ、認知されるようになった。教育虐待が昨今増えたわけではなく昔から存在していた。しかし、近年はその構造がより複雑化しているといえる。
勉強ができることは大前提で、しかし、お勉強ができるだけではダメだとされ、現代の子どもは幼少のころからあらゆる習い事をかけもちして負担が増えている。

行き過ぎた教育虐待は、子供を追いつめ、極端な例だと殺人や自死につながる。
しかし、そこまでいかなくても、うつ病になったり生きづらさを抱えたりと、あらゆる弊害があることが確認されている。

ブランドものに身を包むように、子どもに当たり前に中学受験させる親は、子ども自身をよく見ていない、見えていないことが多い。
良い学校に入れないと、たくさんの経験をさせないと、という親の強迫観念とビジネスが結びつき、更に核家族により社会全体が親の暴走を止める役割を果たせなくなったことから、より問題は複雑で深刻化する。
昔の子どもは逃げ場があったが、現代の子どもには逃げ場がないことが大きな問題。

非行は人権を尊重されてこなかった子どものSOSと受け止めるべき。
子どもの人権を理解するうえでは、子どもと大人の対等なパートナーシップが大切である。
大人の方が知識も腕力も経済力も圧倒的にあるが、だらと言ってそれをたてに権力を振るってはいけない。
子どもが困っているときは、話を聞いてそばにいて、一緒にオロオロするだけでいい。常にどっしり構えて正解を導き出すことだけが大人の役割ではない。

子どもの人権には①生まれてきて良かったねと言ってもらえる②ひとりじゃないよと言ってもらえる③あなたの人生はあなたしか歩めないと認めてもらえる、という3つの柱がある。
大人ができるのは、この3つだけ。逆に言うとそれ以外は親であっても無力である。

普段親は、子どもが起きてご飯を食べて学校に行って帰ってくる、この一連の過程を当たり前だと思い、その上にあぐらをかいてしまう。しかし、そこには深い闇につながる落とし穴がいくつもある。そして、知らぬうちによかれと思って子どもの人権を侵害してしまっているのが親である。

子どもたちが言葉を語るとき、彼らは自分の言葉に命を乗せている。その言葉をしっかりと受け止めることが大切。子どもの言うことだから、と真剣に耳を傾けないことがどれほど子どもの心を傷つけるか。
これは私自身も経験があるためよく分かる。話を聞いてくれない大人ばかりだと、やがて何も話さなくなり、誰も分かってくれないと、家庭の外に安らぎを求めて非行に繋がる。
どんなに下らない、幼いと思っても子どもの話を真剣に聞くことの大切さは身に染みて感じる。

子どもは親の思ったとおりには育たないが、親がよほど余計なことをしなければ、それなりのものには必ず育つ、というのが著者の考えである。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

エディケーショナル マルトリートメント、教育上不適切な扱い、という点に集約していく過程がとても参考になりました。

本書の内容について、細かい部分では疑問もありますが、概ね同意できる内容でした。

「教育虐待」という言葉では取りこぼしてしまうものや、そのように振る舞ってしまう保護者の抱えているものにも目を向けることなど、大切な視点が数多く提示されていて、子どもを守るためにも「保護者」を孤立させないこともまた大切であると感じました。

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2023年11月24日

Posted by ブクログ

「教育虐待」
様々のケースが書かれている。
これまでの親なら当然してきたことも多い。
被害に遭っていた子供たちが、語ることがなかったため、これまで明るみに出なかっただけかもしれない。
子供の人権を守ると言う意識が日本にをかけている。
なぜなら、親が子供のためにとは、果たして、子供の本当に欲しているものなのかと言う視点をかけているからだ。

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2023年08月14日

Posted by ブクログ

毒親や虐待関係の本はいくつか読んできたが、そこには貧困の問題がいつもつきまとっていた。
たしかに、経済的・精神的に余裕がなければ虐待と結びつきやすくなるというのは、ある意味容易に理解できる。
ここでいう「教育虐待」とは、「ペアレントクラシー」の下層に属する人たちの話ではなく、「裕福な家庭に起こる虐待」(本書より)なのだ。
前半で挙げられている個別の事例は、これまでフィクション・ノンフィクション(実際の事件とか)問わず、どこかで見聞きしてきたもので真新しさはそれほどないが、社会構造や教育(学歴)に求められるものが変化してきた結果、「教育虐待」が激化していったという指摘は非常に興味深い。
社会を変える、というのは気の遠くなるような話だが、まずはひとりひとりの親が「自立」することからしか始められないのだろう。
本書で繰り返されているように
「子どもは親の思った通りには育たないが、それなりのものには必ず育つ。親がよほど余計なことをしなければ。」
の言葉を、戒めのように胸にとどめる。

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2023年01月07日

Posted by ブクログ

「教育虐待」、聞いたことがなかった言葉だったので購入。自分の過去の経験(貧困から教育を受ける機会が限りなく少ない)に重なる部分があるのかと思ったが、本人の許容範囲を超えて習い事や勉強をやらせすぎてしまうというもの。高学歴の両親ばかりではなく、「学」のない自分のような人間にならないでほしい。チャンスはたくさん与えたいと思いながら日々、英会話やピアノ、書道にリトミックなど最初に始めるには何がいいのだろうと考えている私のような親に入れられるメスに気づきも。
子供の人生は子供のものであり、子供は親の分身ではなく別人格。それぞれに人権があり、本人に決める権限があるという当たり前のことをもう一度。

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2022年11月06日

Posted by ブクログ

毒親ケーススタディ。わりとみんなたくましく生きてる印象。「教育虐待」ってタイトルがピンと来にくかったかもしれない。もうちょっと検討してみたい。

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2021年03月09日

Posted by ブクログ

タイトルを見て衝撃を受けて読んでみました。

さすがに、教育虐待のレベルに達している親は少ないと思いますが、親ならだれでも、教育虐待の事例を目にすると、そこまではいかないまでも、思い当たる節があると思います。
ときどきはこういう本を読んで、自分の子育てを振り返ることが大切だと思います。

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2021年01月19日

Posted by ブクログ

「母という呪縛 娘という牢獄」を読んだあとに手に取ってみた。「教育虐待」とはなんぞやと思い定義のために読んだが、大抵は海の向こうの話のような、ほとんど自分に関係のない話として受け取った。ただ、時折自分の幼少期と似たような体験談が出てくるとドキッとした。あれは教育虐待だったのか…。と自分の中の記憶がザワザワした。

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2023年11月08日

Posted by ブクログ

虐待の中でも特に教育虐待は「我が子のため」という気持ちが強い上でなされることから、かえって問題が複雑化してしまうと感じた。

文中に幾つかの塾講師や教育機関の側から見た内容があるが、虐待する親、されている子への対応など、今の自分にとって参考になることも多くあった。
(教室内で荒れる子に対しては客観的に指摘する。塾の自習室のほうがかえって落ち着いて勉強できる子供が増えている、など)

結局のところ、教育虐待する親自身が、自分の学歴にコンプレックスを持っていたり、逆に高学歴なためにそれ以外の道を歩ませることが怖いのだろう。

自分自身の我が子に対する接し方や、仕事柄生徒保護者への対応がある場合、それらについて再考することに役立つ本。

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2021年01月03日

Posted by ブクログ

毒親たちによって被害に遭ったこどもたちの実体験が
筆者の言葉をつうじて赤裸々に書かれており、
その人たちがどう克服したかということも触れられています。

上記のような構成のため、
「毒親はどうして毒親になってしまうのか」
という毒親にならないための教訓本としても使えますし、
「自分の親が毒親だった場合、自分はどうすればいいのか」
という子どもたのための処世術が学べるという、
どちら側にも参考になります。

毒親も実は被害者。
毒親に育てられるとその親も毒親になる可能性が高いからです。
それを避けるためには、やはり知識武装をした上で子育てに挑むのが
毒親のカルマを断ち切る唯一の方法だと思いました。

自分の子どもは伸び伸びと幸せになってもらう。
彼らの選択を尊重する。絶対に強制しない。
心に誓います。

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2020年09月22日

Posted by ブクログ

【キーアイデア】
『毒親』

【目的】
子育てに役立てるため

【引用】

【感想】
中学受験を軽々しく考えてはいけない。分別はつき、理解力は大人だが、心は子供。これが12歳。親のエゴで子供の一生を台無しにしてはいけない。

【学んだこと】
教育は相互通行。
力を持つ親、教師がその権力を振りかざすのは暴力に繋がる。

【行動】
子供の個性を最大限に尊重するため、対話を重ねる

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2020年08月30日

Posted by ブクログ

 子どもを追い詰める「教育虐待」の被害者や救済者の言葉と「教育虐待」を生み出す構造が読みやすい文章で書かれている。この問題も、「資本制化した教育」が生み出すさまざまな害悪の一つであることが分かった。そして、コストカット>人権となってしまっている社会全体の問題であることも無関係ではないことが分かった。

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2020年08月10日

Posted by ブクログ

子どもの受忍限度を超えて勉強させることを教育虐待と言うらしい。そんな言葉があることを初めて知った。子どもの将来を思い、親が無理矢理勉強を強制させる。子どもの人生は子どものみが決めることができるのに、それを無視した人権侵害である。教育虐待で東大に入ったとしてもその子は幸せな人生が歩めるのだろうか。

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2020年07月07日

Posted by ブクログ


親の性とエゴ。自分ができないことを子供に押し付けない。子どもを一人の人間として敬意を払いながら指導すべきである。
エデュケーショナル・マルトリートメント教育上不適切な扱いを社会で考えるべき。

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2019年08月06日

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