【感想・ネタバレ】マンハッタン・ビーチのレビュー

あらすじ

〔アンドリュー・カーネギー・メダル受賞〕第二次世界大戦下のアメリカ、ニューヨーク。常に海に魅了されてきたアナは潜水士をめざす。傑作『ならずものがやってくる』のピュリッツァー賞受賞作家が戦時下に生きる人々を描くサスペンスと抒情に満ちた文芸長篇。ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

アメリカの作家、ジェニファー・イーガンの作品。本作を合わせて4作が翻訳。「ならずものがやってくる」でピューリツァー賞を受賞。

第二次世界大戦下のアメリカ。女性や黒人への差別が色濃く残る中、アナは潜水士を目指す。一方、イタリア系ギャングのデクスター・スタイルズは、自身のギャングとしての人生を振り返り、堅気の生活に淡い憧れを持つ…

女性蔑視の中、強く美しく生きるアナに魅せられつつ、アナはデクスターとどう絡むのか、失踪した父はどこに行ったのか、気になる展開で飽きさせない作品。

障害を持つアナの妹リディアとの海のシーンが非常に印象的。作品の中でもターニングポイントとなる場面で、涙が出そうになった。また、ある人物の全てを悟り諦めるシーンや、憎んでいた相手が極限の状態の中で助け合うシーンもベタだが良かった。

デクスターの場面を中心にノワール風味でもあり、父の失踪はミステリ、終盤は冒険小説の要素も出てきて、色々な味を楽しめる作品。
そして何より読みやすい、これに尽きると思う(ホルストの警部ヴィスティングシリーズの訳者:中谷友紀子さん)。近々新刊が出るとのことで、楽しみにしている。

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2025年07月28日

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