あらすじ
太平洋戦争中、どんなに激しい海戦でも必ず生き残って帰投し、“奇跡の駆逐艦”と謳われた「雪風」。緒戦のスラバヤ沖海戦から第三次ソロモン海戦、ガダルカナル撤収作戦、レイテ沖海戦と数々の修羅場を潜り抜け、戦艦「大和」の沖縄特攻作戦からも生還した“不沈の航跡”は名高い。その強運から“神宿る”と呼ばれた「雪風」を舞台に、二百余名の乗員たちの激闘のドラマを描く!
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Posted by ブクログ
終戦まで戦い抜いた陽炎型駆逐艦「雪風」の不沈の航跡を勇敢な乗員と歴代艦長の活躍を描きます。時系列に主要な作戦を雪風のみでなく、米軍からの視点も表現し、読み易く理解し易い文章です。文中に登場する乗員大西氏の「艦隊ぐらしよもやま物語」も読みたい。
Posted by ブクログ
映画「雪風」を見る前にお勉強をしようと思って、読んでみました。もともと、戦争に興味があって知識はありましたが、この本を読んで当時の情景や乗員の心情などをひしひしと感じ取ることができました。とても、興味深い本でした。
Posted by ブクログ
何この面白い本。しかし、一部史実と異なる人物が出てるようである、よって星はひとつだけ減らした。しかし面白い。人物が絞られていてこぎれいにまとまっているのでわかりやすい。そしてテンポがよい。戦史は結構読破まで時間が掛かるのでなかなか読みきらんかと思っていたがそんなことはなかった。プロローグはレイテ沖で始まる。ここのせりふで艦長の「柴田砲術長、ひとつ目に物見せてやれ」は文章としてはたいしたことないんだが何か燃えるものが有る。3代目以降の艦長が話に出てくるがこれらすべての人物がみな好人物で将来何か管理する立場になった時、この誰かのような人になりたいと思うしだいである。
ますます、光人社版の雪風も読みたくなった。
Posted by ブクログ
映画公開されている「雪風 YUKIKAZE」の原作では無いけれど、「幸運艦」と呼ばれた雪風が海軍の中でどんな存在であったのか? 特に寺内艦長の元、どんなイデオロギーが雪風の中にあったのか? 関心があって読んでみた
内容的には真珠湾攻撃やマレー海戦から始まる太平洋戦争での雪風の参戦記録のような内容であった。
「国のために命を落とすことは名誉」とされ、海軍も一丸となっていた当時、「雪風」の艦内の空気は一戦を画すものだったと思われる。
それは「一人も犠牲を出さずに、生きて故郷(家族の元)へ帰るんだ」という強い意思があったからこそ、特にソロモン、ガダルカナル、レイテといった「死の海域」で数々の攻撃を奇跡の操艦技術で掻い潜って、生還したことが証明しているように思う。
日本人にとって「雪風」は「大和」や「赤城」「長門」など海軍を象徴する巨艦よりも最も語り継ぐべき大切な軍艦だと思う。
本書にも「大和特攻」のくだりで書かれていたが「やけくその作戦」には語り継ぐ内容は少ないと思うので、、
だからこそ、そこに関わってきた人達の言葉や、観てきた事、感じてきた事を大切に残して欲しい。
決してそれはエンタメではなく、雪風に乗艦していた人達の物語が我々が知りたいところである。
この戦争で尊い命を落とした英雄たちに敬礼である。