あらすじ
夫婦関係は、今や精神的にも経済的にも不安やリスクを増大させるものへと変容してしまっている。にもかかわらず、人はパートナーを求め続ける。夫婦は実際にどう変わっているのか。かつての理想の夫婦像はすでに「幻想」なのか。いや、変わらない部分――夫婦の根源的な何かがあるのではないか。戦後家族モデル崩壊後の混沌状況における夫婦のあり方を、子どもを作るかどうかの選択、子の成長による変化などにも注目し、長期にわたる確かな取材をベースにその実態に迫っていく。
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Posted by ブクログ
前半は、まるで女性週刊誌の記事を読んでみるようでした。長年、取材対象者の悩み相談に応じるがごとく、丁寧に取材を続けてきたことが伺えます。
構成がもう少し良ければ、週刊誌のルポ風の印象にならなかったと思います。ちょっともったいない。
『第5章「幻想」を超えて』の部分が核になっています。ここだけ読んでも良かったかもしれません。ただ、前半の週刊誌的な部分があったからこそ、幅広い読者に向けて第5章の論旨が伝わりやすかったのかな、とも思います。
5章と「あとがき」には共感します。
「伝統的な役割を保持したまま、新たな役割や複数の役割を担う女性の負担が増えている」
「多様な道を歩む女性たちにひとつの生き方モデルを求めるところに問題の根源がある」
まさにその通りだと思います。