【感想・ネタバレ】血族の王―松下幸之助とナショナルの世紀―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

米相場で破産、没落した家名を再興すべく、松下幸之助は九歳で大阪へ丁稚奉公に出た。事業拡大への飽くなき執念は、妻と始めた家内工業を従業員38万人の一大家電王国へと成長させた。されど、好事魔多し。盟友だった義弟との訣別、GHQの圧力、後継者問題、スキャンダル……。激動の時代を背景に、数々の神話に彩られた「経営の神様」を、新資料と徹底取材で丸裸にした評伝決定版。

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Posted by ブクログ

松下幸之助の伝記。この本の良いところは、いわゆる経営の神様としてのすごい側面だけではなく、松下幸之助の人間臭くて凡庸な部分もきちんと出しているところ。

例えば、自分がいつまでも会社から退くことをせずに晩年も孫に会社を継がせようと奮闘したり、妾として第二婦人を密かに設けて子供を持っていたりと、人間臭くてしょうもない部分がたくさんある。

道を開くなどを読むと、普遍的で説教くさいことが書いてあるものの、アレは自分を律するためにも書いていたんだなと思うと感慨深い。自分自身も全然できてないのがまた人間らしい。

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

松下幸之助の伝記。不遇の幼少時代を過ごし、貧困からの脱出を目指した人生だった。苦労しながらも若い頃からの努力とアイデアでチャンスを掴み、ナショナルブランドで成功する。本田宗一郎と並ぶベンチャー企業だったが、会社の雰囲気は家族的であり、彼は「家長」として君臨していたようだ。読んでみて、正直なところ自分はこの会社では勤まらないと思った。幸之助は自分に厳しい人だったが、他人にはもっと厳しかったようだ。当時は権力を誇示しても問題無かったと思うが、もし現代だったらパワハラと言われることも多かったかも。昔の会社がどういうものだったかを知るには、良い本だと思う。

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2020年01月01日

Posted by ブクログ

自己啓発的な本ではなく、いわゆる松下の伝記といったところか。
経営の神も人間。
人間くさいところが見れて面白かった。

晩年は少々見苦しい場面も。引き際(引退)って難しいですね。

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2014年03月29日

Posted by ブクログ

唯一神松下幸之助ではない部分を書いた稀有な本。コンプレックスに突き動かされる形の起業家で、そのことによる弊害は必ず起きるのだが、PHP教徒はそこを見ない… 揶揄しているのは私の感想であり、この本自体は非常に足を使った労作であり、一読の価値ある本。しかし相変わらず、販売網を築いた以外の松下幸之助の凄さがわからない。コカコーラと同じ、何を開発してもとりあえず売り場を確保してるんで勝ちますスキームに見える。

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2014年02月09日

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松下幸之助氏の素晴らしさ、飽く無き事業熱、その裏にある家名復興への思いと泥臭さ、業を感じ取りました。

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2021年07月04日

Posted by ブクログ

 松下幸之助の歴史というより、特に戦後の日本の歴史というにふさわしいかも。盛田昭夫もすごいと思ったが、やはりこの人もすごい。やっていることのスケールと次元が違う。野村吉三郎が日本ビクターの社長をやっていたとは知らなかった。しかし、愛人との間に4人も子供がいたとは。。。

「正治さんは、頭はいいが、物づくりの経験や商売の苦労をしていない。人使いも下手。何か問題が発生すると、ただ怒るだけで、しかも居たたまれんぐらい理詰めでやりますからね、重役陣からも事業部長からもいまひとつ信用がなかった。」

<どんなに苦しくても、打つべき手はある。それが発展に結びつくわけです。艱難汝を玉にす、という言葉がありましょう。そのとおりです。投げたらおしまいです。最後の最後までがんばらないといけません>

「幸之助さんの天才たる所以は、いったん取り組んだ仕事は、結果が出るまでやめない。結果が出るまで続けるので、失敗もないというわけです。」


「いまにして思えば、ふたつの理由から怒ったんでしょうな。ひとつは、そんな『金儲け』にもならんことに熱をあげるな。そんな暇があるなら仕事せい、ということでしょう。そしてもうひとつは、幸之助さんの本心は、社員を金太郎飴のように育てたかったんですなあ。個性的な社員がバラバラに動くのではなく、会社が示した方向に向かって結束して働く社員を理想としていた。まさに、松下電器の総合力は、金太郎飴にあると信じていたということです」

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2020年11月14日

Posted by ブクログ

言うまでもなく、松下幸之助は、日本における不世出の企業家の一人だろう。

しかし、少なくとも前半部分からは、なぜ、松下幸之助が日本を代表する企業を作ることができたのかが理解できなかった。

典型的なワンマン経営者、というよりもほぼ独裁、無茶なことをしては路頭に迷う寸前まで資金繰りに苦しくなる、とても優れた経営者とはいえないエピソードが多い。

おそらく、松下幸之助があれだけの企業に育て上げたのは、幸之助の異常なまでに鋭敏なビジネスに対する嗅覚があるのだということは、本書からはっきりと読み取れた。

やれAIだビッグデータだともてはやされている現在に松下幸之助がいたら何をしただろうかということには興味がある。

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2020年01月04日

Posted by ブクログ

経営の神様と言われた松下幸之助。三洋、シャープ、ソニー、東芝と日本を代表する家電メーカーが不振にあえぐ現在、彼が存命していたら、この状況に何を思うか?と思いつつ、購入。まず間違いなくなり自分とは相性の最悪な上司になる人物。むしろ同郷の元軍人、外交官である野村吉三郎の方に興味がひかれる。

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2016年04月14日

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