あらすじ
『しょぼい起業で生きていく』(イースト・プレス社)がスマッシュヒットとなり、10万人の登録チャンネルの人気youtuberとして活躍中のえらてんこと矢内東紀氏が提唱するのが「しょぼい結婚のススメ」で通称「しょぼ婚のススメ」。「しょぼい起業」は「とりあえず食べていくこと」を目的としていましたが、「しょぼい結婚」は「とりあえず婚姻を成立させ継続すること、そして社会を成立させ発展させていくこと」を目的としています。人は衣食住が揃うと、その次には他人と社会を形成していきます。もっとも小さな社会の単位は家族です。家族を作っていきましょう。当然、結婚をしないという選択、または結婚をしても子供を産まないという選択をした、あるいは産みたくても身体的な都合で産めないという方もいらっしゃると思います。そういう方に無理やり結婚しろ、子供を産めと強引に迫る本ではもちろんありません。ただし、結婚したいなら結婚した方がいいし、子供を産みたいなら産んだほうがいい。これは、金銭的にも税制的にも、リスク管理的にも、社会のありかたとしてもそうです。子供を産まないという個人の希望や選択は最大限に尊重されるべきですが、だからといって誰も子供を産まなくなってしまうと、次の世代がどんどん先細りしていくので、社会が衰退してしまいます。子供は欲しいが何らかの事情で持てない、という場合はどんどん養子をとっていきましょう。おそらくバブル時代以降の弊害だと思うのですが、恋愛と結婚を一直線上に置き、さらに結婚というものに値段をつけ、結婚というもののハードルを著しく上げてしまったのが、現在の晩婚化、少子化の原因ではないでしょうか。いい大学を出て、どこの会社に勤めていて、年収はいくらぐらいで、どこらへんまで出世しそうで(もちろん、男女が逆でも同じような価値観はあります)。これ、全部無駄です。ちゃんとした職業についていないから、お金がないから、結婚にはまだ早いから、いいと思う相手に出会えないから。さて、あなたがまだ結婚をしない理由はどれでしょうか?「そんなことを考えている間にさっさと結婚したほうがいい」という話をこれからしていきます。この本を読み終わったころには、さっき挙げた理由などどうでもよくなり、今すぐ結婚しようと思えてしまう本です。それが「しょぼ婚のススメ」です。
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Posted by ブクログ
理屈の通った読みやすい一冊。
結婚についてのみ考えたい人は中盤ぐらいまで読めば理解できる。
思わぬところで繋がったが、「正欲」も「コンビニ人間」も登場人物が名目上結婚したのは、社会的に生きやすくするためでもあるが、最もコスパ良く(ほぼ0円)周りからの信頼を上げる方法であったからだったのか。
印象的な言葉
・結婚は信用をあげる
・結婚することになる相手は同レベルの人になる
・貯金が少なくても結婚すると貯まりやすくなる
・頼み事は、してあげたからではなく依頼ベースにする。それでも上手くいかなければ話し合う
・子育ては手を抜く
・子供にはこっちで目標を立てずに、まずやりたいことを探してもらう
Posted by ブクログ
おもしろかった。結婚したい人はすぐに読んだらいい。
パートナーが欲しいタイミングだったので、むさぼるように読んだ。誰か紹介してくれ。
結婚についてのハードルを下げる本。しょぼい起業で…も、起業という考えのハードルを下げて「うまくまわっていく」重要性を説いた本だったが、こちらも「うまくいく」結婚について、感情的なことではなく、政治的・経営的な視点で説いている。
だいたい、この本を手に取っている時点で、心の中では「結婚したいな…」とこそっとでも思っているはずだから、そのあわよくば結婚したい欲を肯定してもらえるだけで気分はあがる。
そこまで結婚までのハードルを下げるのは危険では、と思う人もいるかもしれないが、結婚するまでのハードルを下げることよりも、その後の本当に大切な「家庭運営」に力を注ぐ、という考え方。恋愛もしくは恋愛未満で疲れてしまっている人(=私)には、そんなことで体力気力を摩耗するより、ずっといい考え方だと思う。
結婚までのことも書かれていたが、その後の家庭運営についても、こんなルールを設けるべき、こんなルールは少なくすべき、といった気力体力の節約術になりそうなことが書かれていて、実践したいと思った。
ちなみに、一番心にささったのは、家族といえども隣人程度にすぎず、みんなそれぞれが別の人格を持っているから、気軽に夫の悪口とか子供の愚痴とかをネタにするな、という提言。(「身内下げ文化」への懐疑)
まさに自分の親がそうだったなあと思ったり。しかし、Q&Aにもあるように、自分の育った家庭のよくなかったところは、自分が家庭を持たない理由にするのではなく、それを越えることで過去の自分自身も癒すことができる、のだという。
そんな育児セラピーの考え方など、言い方は厳しいが、内面はとてもあたたかみのある考え方が随所にでてくるので、優しいなあと涙ぐみかける。
あとはセックスの考え方もとてもよかった。ただ、対外的な家庭論や子育て論については、少し世論に迎合しすぎているように感じた。(家庭も何もない人間だからまだ理解できないだけかもしれないけど。)
恋人がいない人、結婚したい人、恋愛に悩む人にすすめたい。出会って3日で結婚したい。とりあえず知り合いには相手を紹介して、って言いまくってる。