【感想・ネタバレ】日本人とは何かのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2013年03月17日

「知識人と戦争」から読むと、理解しやすい。日本人の知識人は、なぜ戦争反対を貫けなかったか。それは、日本人にとって、思想が超越的なものではなかったためでもある。また、知識人にとっても、思想がエリートサークル内の人間関係や、「生活」の論理を超えることができなかった。

鎌倉仏教を考えると、日本人にとって...続きを読む超越的な思想がなかったとは言い過ぎだと思うが、著者の指摘は戦争を知らない私にとっても非常に重い。

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Posted by ブクログ 2019年05月03日

著者の日本人にかんする論考を収録しています。日本の近代化についての議論であると同時に、知識人論でもあり天皇論でもあるといってよいようにに思います。

明治以来、日本は西洋の近代文明を受容してきました。しかし著者は、それらが伝統的な文化との対決をくぐり抜けることのないままに受容されたにすぎないと述べて...続きを読む、知識人と生活者が分裂してしまっていると指摘します。

著者は『雑種文化―日本の小さな希望』(講談社文庫)において、こうした現代の日本のありようを前提としたうえでそれを生かす道をさぐろうとしていましたが、本書に収録されている論考では、どちらかというとその病状を冷静に分析することに著者の努力が傾けられているように感じられます。

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Posted by ブクログ 2014年02月09日

戦前、戦中、戦後と生き、また国内外で教育を受け、生活をしてきた著者の考察であり参考にすべきことを多々見い出すことができる。

1976年出版なので幾つかの考察は時代にマッチしていない感もあるが、その中でも普遍的な事柄に気づきがある。
類まれなる歴史を持ちながらも文化国家としては一流になれない。日本人...続きを読むとして何を欲するのか明白ではない、という著者の問題意識は今も変わらないのだろう。


以下引用~
・他国民と比較してみるときに、日本人の特徴は、花鳥風月に事をよせてはその感覚的世界、殊に造型的な面が、鋭敏で洗礼されたものであった。

・芸術は進歩ではなくて、変化、変化を可能にする持続である。
「断絶」という考え方は、思想・文学・芸術の創造的営みにとっては、全く致命的であり、生み出すに値するものを生みだすためには、どうしても文化の持続の観念が必要である。

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