あらすじ
「私は身分違いの相手に想われ、玉の輿に乗った女である。」――並外れた美貌と作歌の才に恵まれた平安朝の一女性が、浮気の絶えない夫との生活から女同士の確執、一人息子への溺愛ぶりまでを赤裸々に綴る。無類に面白い千年前の記録を、大胆かつしなやかな日本語で生き生きと再現させた現代人必読の書。平安朝日記文学の傑作を、しなやかで優美な現代語で甦らせた名篇。女の人生、夫次第。古典のおもしろさ、新発見!
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Posted by ブクログ
さすが小説家の手によるもの。
原文や、それを忠実に訳したものとは違う読みやすさがある。
安和の変や、兼通、兼家の争いなど、ごちゃごちゃしたところも、すっと頭に入ってくる。
杉本流の解釈も入っているが、道綱母の誇り高さも、それゆえの生きづらさも、よく伝わってくる。
こんな風だったのかなあ、とかんじさせるリアリティがあるように思われる。
Posted by ブクログ
現代でものすごく共感できる内容でした。夫の兼家のデリカシーのなさや不実っぷりはこんな奴いるよね〜と一緒になって腹を立ててみたり。正式な契約のない愛人のつらさがよく分かる現代訳でした。恨み辛みっていうより、「なんでこんな駄目男に振り回されてるんだろ・・・自分」という声が聞こえてきた。最後、自分からアンタとはもう会いたくないのと引越しして実質三行半を突きつけるあたり、駄目男にもう疲れたんだろうなぁ・・・。