【感想・ネタバレ】ジェリーフィッシュは凍らないのレビュー

あらすじ

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者のファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場! 第26回鮎川哲也賞受賞作にして精緻に描かれた本格ミステリ。/解説=千街晶之

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Posted by ブクログ

ネタバレ

各パートで語られるミステリ、面白いなぁ〜〜〜
段々とピースが繋がっていく展開は
加速して誰が犯人なのか混乱させられる…
とはいえ、最後は綺麗な幕引きだった。

探偵役のエドワードが冷静で格好良い!!
と思っていたらまさかの犯人で偽名だった!
正体が明かされた後も好青年だったし、
犯人達の恐ろしい真実が積み重なりすぎ&
研究メンバーが同情できない人ばかりなのもあり、
彼が本懐を遂げられて良かった…と感じちゃった……

とはいえ、まさかのどんでん返しで
大好きなクローズドサークルで
警部刑事も興味をそそるキャラで
探偵役も格好良くて
とてもミステリ好きにはワクワクする作品だった!
続編?というかシリーズがあるらしく、
追って読んでいきたいと思う♬

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【研究室の異質な人間模様が生々しい本】

球体の飛行船、ジェリーフィッシュ。

そのジェリーフィッシュを開発した航空化学科の研究室で起きたミステリー。

研究室のメンバー6名が雪山に遭難した中で発生した殺人事件から端をなすクローズドミステリー。

研究室に出入りしていた少女、レベッカの死の真相が事件解決の鍵を握る。

迷宮入りする事件を解決するために捜査に動く、警察官のマリアと蓮。空軍のジョンとともに、証拠を集めて、真犯人にたどり着く。

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夕木春夫「方舟」に続いてクローズドミステリーを読んだ。

化学の分野が出てきたことがとても面白く、研究室の異様性、突如現れるマドンナ的な存在で掻き乱される心境もよく理解できた。

ミステリーの難易度もつかずはならずで、難しくてわからないということもなく、単純すぎて先が読めるわけでもなく、丁度いい度合い。

マリアと蓮の掛け合いで解決に向かっていく様が、読者の心理やミステリー考察にひと役かっており、理解とミスリードを上手く混ぜられたな、と思った。

大事なところは点をつけてくれるのはミステリー初心者にはありがたい。

最後まで中弛みすることなく、緊張感を持ってモノローグまで読めた。とてもいいミステリーのひとつだと思う。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

トリックはとても緻密で、張り巡らされた伏線も重箱の隅までギッチリ詰まっています。トリックは、フェアだけどその一方で叙述トリックのような要素もあって面白いです。

ただ、ウィリアムがバラバラ死体の顔をサイモンだと認識できずにエドワードと誤認したところだけ納得できませんでした。が、極限状態ならそういうこともあるかと思っておくことにします。

作者さんはめちゃくちゃ頭良いんだろうなと思います。書くのにどのくらいかかったんだろう…

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ジェリーフィッシュという新世代の飛行船内にて行われた連続殺人事件。そして誰もいなくなった系ではあるものの、こちらのバージョンだと犯人は生き残っている。珍しい。何か影から見守っていたヒロインが無残な姿になって復讐を…てのは良くあるけど、おもちゃ屋さんの優しい店員お姉さんという関係が面白かった。でも子供の頃に憧れたお姉さんって何故かすげー印象に残るよね。わかる。理系や機械は苦手だからそこら辺の蘊蓄は分からなかったのがちょっと残念。でもラスト含め嫌いじゃない作品だった。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人こいつだろ!ってのはわかったけど
その後の色々な仕掛けは面白かった。
犯人が"誰"なのかがはっきりわかれば
もっと感動したと思う。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

○ 総合評価 ★★★★☆
〇 サプライズ ★★★☆☆
〇 熱中度 ★★★★☆
〇 インパクト ★★☆☆☆
〇 キャラクター ★★★☆☆
〇 読後感 ★★★☆☆

〇 総合評価 ★★★★☆
 第26回の鮎川哲也賞受賞作。「21世紀のそして誰もいなくなった登場!」という帯の惹句が話題になった。
 舞台は異なる方向にテクノロジーが発達したパラレルワールド。時代設定も1983年となっており、DNA鑑定や携帯電話などのテクノロジーが発達していない。
 「そして誰もいなくなった」系のミステリは、読んでいるときは抜群に面白いが、結末の意外性に欠ける。事件関係者の数が少なく、前例も多い。登場人物の誰が犯人でも、大きな意外性は演出できない。『ジェリーフィッシュが凍らない』も同様である。
 この作品における最大のトリックはジェリーフィッシュと呼ばれる飛行船が2隻あったことである。ネヴィル、クリス、リンダの3人は亡命を図っていた。亡命を成功させるための生贄として用意されたのはファイファー教授、ウィリアムとエドワード。2隻の飛行船を比較実験として飛ばしていた。この事実が叙述トリックを駆使して読者には隠される。そうすることで、生き残った者が犯行現場から逃走することができないと誤認させている。
 もう一つのトリックはサイモンという人物を殺害し、バラバラにした状態でジェリーフィッシュに持ち込み、6人の乗組員の1人に見せかけるというもの。これにより読者には6人目の乗組員はエドワードだと分かるが、捜査をしている警察は6人目の乗組員はサイモンだと誤解する。その誤解を上手く利用することで、エドワードが犯人であることを隠そうとしている。
 この作品はフーダニットをあまり重視していない。読み進めるうちに、読者には、エドワードしか犯人になり得ないことが分かってくる。しかし、エドワードとレベッカの関係は読者が誤解するように描かれている。エドワードとレベッカの関係は恋人などではなく、単に店員と客の関係。エドワードと名乗っていた人物は10歳のときに、レベッカがバイトをしていた模型店に通っていた子どもだったのだ。このレベッカと真犯人の関係性の希薄さが、『ジェリーフィッシュが凍らない』の驚きの肝の部分になっている。
 捜査をしているマリアと九条漣のキャラクターもそれなりにいい味を出している。ジェリーフィッシュという閉じられた空間で一人、また一人と殺人が続けられるサスペンス感も読みごたえがある。真犯人の意外性こそ物足りないが、丁寧に描かれた良作である。とはいえ、「そして誰もいなくなった」系のミステリを読んでいる以上、真犯人が誰か分かったときの驚きを味わいたいという気持ちはある。総合評価としては、ギリギリの★4で。
〇  サプライズ ★★☆☆☆
 最後に真犯人が分かるタイプではなく、犯人になり得るのがエドワードだけだということが、読者には分かってしまうのがこの作品の難点。「そして誰もいなくなった」系のミステリに共通の難点かもしれないが…。
 ジェリーフィッシュが2隻あったこと、レベッカとエドワード(と名乗っていた真犯人)の関係性などのサプライズはあるが、「そして誰もいなくなった」系のミステリを読んでいる者が期待する意外性の期待値は高く、その期待値を満足させるデキになっていない。
〇  熱中度 ★★★★☆
 熱中度は高い。「そして誰もいなくなった」系のミステリするだけで、高い熱中度が期待できる。そういった構造的なものに加え、丁寧な作りで描かれているこの作品は、最後まで熱中して読むことができる。
〇  インパクト ★★☆☆☆
 丁寧な作りではあるが、ジェリーフィッシュが2隻存在したという真相も含め、ややインパクトに欠ける。レベッカと真犯人の関係性が店員と客で、真犯人は10歳のときにレベッカがバイトしていた店に通っていた子どもという部分はインパクトがあるが、そこだけ。
〇  キャラクター ★★★☆☆
 ややステレオタイプに感じるが、マリアと九条漣の捜査陣はそれなりに魅力的なキャラクターとして描かれている。ネヴィルやクリスらのジェリーフィッシュの乗組員、レベッカ、そしてエドワードと名乗っていた真犯人などもそれなりには描かれている。
〇  読後感 ★★★☆☆
 最後はエドワードと名乗っていた真犯人が2隻目のジェリーフィッシュで逃亡。いったん逃亡した後、自首したのかもしれないが、そのまま死を選ぶ可能性も逃亡する可能性もある。リドルストーリーのような終わり方。こういう終わり方をすると読後感は良くも悪くもなくなってしまう。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

期待値を上げ過ぎた部分はあるが、トリック自体は驚きもあって面白かった。「十角館の殺人」っぽさはあるけど、例の一文みたいなガツンとくるインパクトというのはなかった。あとは、トリックの説明が少し冗長な気はした。
レベッカとエドワード(仮)が有能すぎるのと、研究者が揃いも揃って無能すぎないか、とは思った。実力が伴わないこと、専門外のことはしない方がいいね。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずーっと気になってたけど、クローズドサークルものがそんなに好きじゃないのとそもそも飛行船っていうのにもそそられなくて読んでなかったこちら。
人の名前が英名なのと理系すぎる内容でとっつきにくかったけど、名前を覚えて理系の内容は諦めたらわりとスルスル面白く読めた!

しかしオチは…十角館やないかーい!!
説明が長いのと、色んな人の思いが交錯しすぎててなんでこんなに人の心が読めるん?ってつっこんじゃうのと、何もかもが上手くいきすぎなのとで無理やり感が否めない…
そもそも十角館もあまり好きじゃない(説明長すぎる)から、まぁハマらないよなぁという感じ。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人の独白から始まるタイプの小説。
ただその独白が登場人物の誰とも結びつかず誰なのかワクワクして読み進めていった。
オチには少し肩透かし。

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2025年08月06日

匿名

ネタバレ 購入済み

クローズド・サークルでの殺人事件。そして誰もいなくなったや十角館の殺人を先に読んでから読むとより楽しめます。
外国人の名前が覚えにくいのと初めの方の浮遊船の構造や科学の話が難しいが、事件が始まってからは読む手が止まらなくなります。

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2025年05月15日

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