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Posted by ブクログ 2020年01月02日
新宿二丁目の成り立ちを、関係者への取材や過去に出された研究書を元に明らかにしていく。新宿二丁目について「ある程度知っている人」に取っては面白い内容だけれど、二丁目に関して全く知らない人に取ってはやや難解な部分があるかもしれない。
個人的に興味深かったのは二点。
一つは、後書き的な文章の中で書くに当た...続きを読むって取材協力している方々の名前を列挙して礼を述べているのだが、その取材協力者の中に「神名龍子」という顔見知りの人物の名があったこと。そうか、二丁目については龍子さんに直接聞くことが出来るのかと言う思い。
もう一点は、作中に東郷健の名があったこと。
東郷と関わりのある街として、新宿ゴールデン街がある。そのある店に入ったときのこと。マスターの物腰がおかまチックであったことから、会話の中に東郷健の名前が出た。そのとき、自分が「東郷が選挙に出たとき応援していたのは雑民の会のメンバーでしたね」と言うと、マスターは「よくそんな昔の事を覚えているわね」と言ったと同時に、自分に対する接し方が代わり、手製のオムレツを作ってご馳走してくれた。本書の著者は東郷の事をあまり評価していないようであったが、個人的には二丁目とおかまの関係を語る上で、重要な人物の一人であろうと思っている。
Posted by ブクログ 2019年07月03日
会社に献本されていて何気なく手に取ったのだけど、知らないことだらけだった。三島由紀夫やら美輪明宏やらガンガン出てきて、文豪の集うバーからゲイバーが生まれ、さらに吉祥寺のジャズ文化の起源となるのもここだという。
雑誌文化を学生時代に追っていた身としては、平凡パンチがなぜかある年代にLGBT総合誌のよう...続きを読むになっている、という指摘も面白い。
学生時代を思い出した頃に、当然新宿二丁目の話なので唐十郎(私の大学で教鞭をとっていたのだ)の名前も出てきて、さらに突如ロラン・バルトの「表徴の帝国」に二丁目ゲイバーマップが載ってる、という衝撃の話題が出てくる。記号論をまがりなりにも学んだ人間として彼の名前もこの著書の名前も当然知ってたが、本を読んでなかったことが15年越しにばれた。
Posted by ブクログ 2022年01月04日
<目次>
序章
第1章 ”ゲイバー”はいつ日本にできたのか
第2章 伝説のゲイバー・ブランスウィックの二つの顔
第3章 「二丁目」のきっかけとなったイプセン
第4章 淫風の街
第5章 よそ者たちの系譜
第6章 零落の時代
第7章 「要町」と呼ばれたエリア~分断された街
第8章 ゲイバ...続きを読むー街の成立条件
第9章 ハッテン場の持つ磁力
第10章 アングラ文化の渦中で花開く
第11章 平凡パンチの時代
終章
<内容>
日本のゲイ文化について、新宿二丁目を核としながら紐解いていく。大変まじめな分析で、著者もそちらの人。資料の読み解きやインタビューをくりかえし、丁寧に説いていく(解いていく)。三島由紀夫はともかく、夏目漱石もその気があったというのは初耳だった。