あらすじ
「これはオレの性分、飛ばずにはいられなかった――。」
平成のプロレス界を牽引し、つねにファンを熱狂させた武藤敬司。長年の膝の酷使から、必殺技「ムーンサルト・プレス」の封印を余儀なくされる。
デビューからスペースローンウルフの衝撃、.闘魂三銃士結成、グレート・ムタの覚醒を経て、nWoの席巻。そして全日本プロレス社長就任、WRESTLE-1の旗揚げまで。
WEBで話題を呼んだ、スポーツ報知記者による同名連載を書籍化、200ページの大幅加筆。
武藤敬司と関係者への総力取材を敢行し、「ムーンサルト・プレス」を基軸に語りあげた、武藤35年の全記録。
【目次】
序章 最後のムーンサルトプレス
1章 入門、そしてデビューへ
2章 ムーンサルトプレスの誕生
3章 スペース・ローンウルフVS「UWF」
4章 ムタ誕生と幻の「SWS」移籍
5章 ムタVS猪木、武藤VS高田
6章 nWo
7章 全日本プロレス移籍
8章 社長の苦悩
終章 決別と決意
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Posted by ブクログ
スポーツ報知のwebサイトで連載
された同名の記事をまとめ、200ページを超える加筆を
加えて再編成したもの。誰もが「天才」と認める平成を
代表するプロレスラー・武藤敬司の35年が、ボリューム
たっぷりに描かれている。
いわゆる通常のプロレス本と一線を画しているのは、ス
トーリーの基軸に武藤の必殺技「ムーンサルトプレス」
を置いていること。デビュー時から使い続けていたこの
技は武藤敬司を超一流プロレスラーの座に導いたが、代
わりに日常生活すら困難となる深刻な疾患を産み出した。
酷使された膝は完全にボロボロの状態。普段の武藤敬司
が移動に車イスを使用している、というのは、ファンの
間では有名な事実。武藤が文字通り身を削ってまで使い
続けたこの技を各所で絡めることにより、「評伝」が「
物語」にまで進化してしまっているのだから凄い。
これはもう、福留崇広という記者の構成力と文章力の勝
利。僕は武藤敬司が天才プロレスラーであることに全く
異論は無いのだが、好きかキライかで言えばキライなタ
イプ。故ジャンボ鶴田同様、持って生まれた身体能力に
頼るファイトスタイルに心を揺さぶられた記憶が無い。
そんな僕が、この本を読み終わる頃にはちょっとした武
藤ファンになっている、という事実。この書き手もまた、
「天才」なのかもしれない、と言ったら褒めすぎ(^^;)
かもしれないが。
先頃人工関節を入れる手術が成功し、新日本プロレスの
MSG大会でグレート・ムタとして復帰したばかりの武藤。
相変わらずの天才ぶりを発揮し、米国の観客を魅了した
のは記憶に新しいところだが、もう武藤が月面水爆で宙
を舞う姿は二度と観られない。この本を読んだ所為で、
その事実が急に寂しくなったのだが、プロレスのリング
からまだ「天才」は奪われていない、という“もう一つ
の事実”には感謝すべきだと強烈に思った。
掛け値無しに凄いノンフィクション。
ちょっとでもプロレスに引っかかりを覚える人は、絶対
読むべき!