【感想・ネタバレ】野球を裏切らない――負けないエース 斉藤和巳のレビュー

あらすじ

2000年代No.1投手は、松坂大輔でもダルビッシュ有でも田中将大でもない。斉藤和巳だ――。1995年ドラフト1位で福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)に入団した斉藤和巳。しばらくは二軍生活が続いたが、2000年から徐々に一軍での登板機会が増えていく。2003年には開幕投手を務めるなど先発ローテーションに定着し、20勝3敗。最多勝・最優秀防御率・最高勝率・ベストナイン・沢村賞などタイトルを総なめにする圧巻の活躍を見せ、チームのリーグ優勝、日本一に貢献した。2005年は16勝1敗、2006年は18勝5敗で投手5冠に輝くなど、「負けないエース」として圧倒的な数字を残し、マウンドに君臨した。しかし、その後は度重なる肩の故障に悩まされ、長期離脱を余儀なくされる。「もう一度マウンドに戻る」という不屈の精神から、異例の長さとなる「6年間」のリハビリ期間を懸命に過ごしたが、とうとうマウンドには戻ることはできず、2013年に現役を引退した。斉藤和巳本人へのロングインタビューを軸に、王貞治、尾花高夫、白井一幸、小久保裕紀、林孝哉、的場直樹、杉内俊哉、さらにはアマチュア時代の恩師や両親、リハビリ期間の恩人など、多くの関係者の証言をもとに、その鮮やかな野球人生の軌跡を追った。なぜ、斉藤和巳のピッチングは今もなお野球ファンの心に深く刻まれ続けているのか――。最強投手の知られざる真実に迫った渾身のノンフィクション作品。

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Posted by ブクログ

元ソフトバンクホークスのエースとして活躍した斉藤和巳投手の学生時代からプロになってからの苦悩とエースとして君臨するまでの軌跡と周りの選手との関係について書かれた一冊。

2003年の20勝と沢村賞受賞という華々しい活躍しか知らなかったので本書を読んで裏にある肩に対する氏の苦悩や出会いによって氏が変わっていく姿を知ることができました。
南京都高校で無名の選手から一躍ドラフト1位候補になるまでやドラフト1位でも全く登板がなく憂鬱な日々の中でひたすら練習を行ったことや小久保選手や王監督、尾花コーチとの出会いによって考え方や行動が変化していくことなど様々な経験を経て輝かしい成績を収めるまでに至ったことを感じました。
また、2回目の手術からのアリゾナでのリハビリ生活はもう一度マウンドに立ちたいという氏の熱い想いとともにリハビリの過酷さも感じることができました。

氏の素直さと周りに与える影響力は氏の強みであり、それにより2回の沢村賞を受賞するまでの成績に繋がったのだと感じました。
そして、今や球界で常勝集団として君臨するソフトバンクの初期に活躍し、プロ野球選手として一時代を築き、チームをエースとして率いた経験をまたどこかで指導者として後世に伝えていって欲しいと感じた一冊でした。

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2019年10月21日

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