あらすじ
教科書が教えない「経済の掟」が歴史を作った!
お金の流れが物語る、
まったく新しい視点の日本通史。
文庫版で5冊同時発売!
織田信長は日本の統治形態を変え、戦国時代と中世を終わらせた。
画期的な経済政策は豊臣秀吉に受け継がれ、明の貨幣制度および国際貿易体制の大変化に日本はようやく追いつく。
秀吉は天下統一の勢いのまま征明を目指すが、そこには大きな落とし穴が待っていた。
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Posted by ブクログ
室町時代に続き発見が多く非常に面白かった。
歴史の教科書やドラマでは、「室町時代は武家の幕府があったものの権力を握ることが出来なかったが、戦国時代を勝ち残った信長・秀吉により天下統一された。信長・秀吉は偉大。」程度の描写であると思う。
しかし、当書を読むと信長・秀吉の天下統一は様々なパラダイムチェンジを伴う改革であることが分かった。
そのパラダイムチェンジとは、長篠の戦いにおける鉄砲隊の三段撃ちではなく、経済的な部分と、武士と大名の考え方であると思う。
室町時代において武家が力を持ちきれなかったのは、寺社仏閣が経済を握っていたからだ。
関所を設けて貿易を取り仕切り、貿易から得た通過で中央銀行の役割をする。
経済的な背景と僧兵による武力を持っていた。
これは、武家が武力を持ち征伐などをすることが出来ても求心力は寺社仏閣にあり、バランスを取り上手く立ち回っている場合には政策も安定するが、バランスが悪くなったり、どこかの勢力が強くなってしまうと対抗できなくなる状態であったのだと思う。
信長の経済における功績は、この神社仏閣の行なっている関所や貿易など資金を抑え、経済と政治を包括的に行なっていったことだと思う。
また、武家側の改革として荘園の石高見える化として行なった検知は、画期的なことだったのだと思いました。
というのも、それまでは武家の明確な評価も行われず、優秀な武将に遠征させようにも自分の領地が遠いなどの問題が起こっていた。
秀吉による朝鮮出兵も納得の行くロジックであった。
信長が創業者なら秀吉は経営者だったのかもしれない。
同じパラダイムの中で動く分に優秀であったが、異なるパラダイムにおいて立ち回れることが出来ずに、日本で成功したから海外に出ていって失敗する企業と同じなのかもしれないと思った。