あらすじ
38歳で大阪府知事に就任し、数々の改革を成し遂げてきた橋下徹氏。大阪府庁1万人・大阪市役所3万8千人の職員、組織、そして国をも動かして結果を出してきた秘訣とは何か。年上の部下や並いる反対派をいかにして説得・掌握し、大阪の大改革へと舵を切ったのか、その手腕を初めて明かす。 ●「敵」はあえて側に置く ●リーダーと現場の仕事の切り分けかた ●チーム作りの「失敗の本質」……など、自身の経験や例を挙げつつ、具体的に解説。部下と上司を動かし、チームや組織を変える。今の時代に一番必要なのは、アイデアではなく「実行力」だ。橋下流「君主論」の全貌。 【目次】●第1章 まずは、人を動かす――実行のための人間関係、人事の要諦 ●第2章 本当に実行すべき課題はどう見つけるか――橋下流・問題解決のノウハウと、マインドの持ち方 ●第3章 実行し、信頼される人の条件とは――部下は結局、上司の背中を見て動いている ●第4章 実行のための「ビジョン作り」と「チーム作り」――結果を出す「仕組み」はこう作る ●第5章 上司を動かし、提案を通す――「トップの視界」を想像しながら仕事をする ●第6章 情報を制する者は、組織を制す――強い組織は、情報共有の横串がしっかり入っている ●第7章 日本と大阪を「実行できる組織」にするために――徹底的に考え抜かれた大阪都構想の実行プロセス
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Posted by ブクログ
格言
リーダーの勉強の仕方は、専門家の勉強の仕方とは違います。 たとえば、「新しい車を作りましょう」という話になったときに、リーダーはブレーキの構造やブレーキの製造法について細かく知る必要はありません。知るべきは、「今までの車の何が問題だったのか」という部分です。問題点を探るために、たくさんの本を読みあさるのです。 とはいえ、もちろんリーダーは評論家や博識家になるわけではありません。ですから、本を一ページ目から読む必要はありません。むしろ一ページ目から読み始めるほうが、リーダーとしては不適格だと思います。 現場の人たちでは解決できない問題を解決するのがリーダーの重要な仕事の一つですから、「何が問題か」を探り出す目的で、該当箇所を読んでいきます。新聞を読むにしても、知識を増やすことだけが目的ではありません。ニュース記事を読みながら、各事象について、この問題点は何か、それを解決するためには何をどのようなプロセスで進めていけばいいのかを常に考えます。すなわち各記事について、常に持論を持つように頭の体操をしておくということです。リーダーは知識を蓄えるためではなく、問題解決能力を磨くために、本や新聞を読むべきです。
リーダーとして実行していきたい。
Posted by ブクログ
橋本さんのやろうとしたことがよくわかりました。大きな方向性の設定から実行プランの策定まで、口先だけでなく実行すること、成果を創出することを重要視した(皆さんそうあってほしいですが)現実派で、印象が変わりました。
仕事でも年次が上がるとコメンテーター的な役回りに満足し実行性に欠けることをしゃべるだけなことがありそうだが、それは避けたいと思いました。
Posted by ブクログ
橋下徹氏の実行力に関する著作。
テレビによく出る弁護士からあれよあれよと言う間に大阪府知事、大阪市長になり、大阪都構想をかけた住民投票で敗北し、政治家を引退した。この間、約8年と期間にしては長く感じるものの、非常に数多くの実行があった事は間違いない。
そんな彼の実行力を支えたのは、以下のルール。
- 民主主義のルールを理解する(議席獲得、結党の強さ)
- 決定には従う、というルールの下、自身の政策に反対する者でも積極的に登用する
- 紛糾する議論は徹底して専門家同士で議論を戦わせ、組織長は裁判官的に比較優位によって判断する
- トップは部下が想像もつかない、出来もしないと思っていることを実現することで信頼を得る
実践的なアドバイスが多く、非常に参考になった。
Posted by ブクログ
購入本 相手を遣り込める為敵も多い著者だが、大阪府庁,市長に立候補した見識は見事 大赤字を解消した実行力も特筆出来る。是非全国も改善して貰いたい。
TOPとはこうあるべきのお手本となる道しるべ
・反対派をそばに置く必要 徹底的に意見を述べさせる
反対派意見を取り入れて修正するとより良い案になる
・部下が絶対できないと考えている事を解決する事で最初の
衝撃を与えるとその後がうまくいく
・大阪城公園でレッドブル主催のモトクロス大会を開催
大阪城お濠でトライアスロン大会を開催
御堂筋をFAカーを走らせるイベントを開催
カジノ誘致
・マインドが変われば、部下は自分から動き始める
・人を集めたらその中で決定権・権限者を決める
それでないと改善にとどまり、物事は大胆に動かない
・案は必ず3つ要求
・東京府と東京市が一つに纏まる案は1896年から1943年迄47年掛った。今や東京都の小池知事がリーダーシップを
取って非常に政治が分かり易い
Posted by ブクログ
「こんなこと言ったら部下はついてこないんじゃないか」
「嫌われたくないから、やりたいことができない」
「部下の意見を聞くと対応しなきゃいけないし、聞かなきゃ聞かないで納得されない」
メンバーを引っ張っていかなければいけないこそ、悩みがあります。
そんなリーダーに読んでほしい一冊です。
部下が絶対出来ないことをやることが、リーダーとメンバーとの信頼関係の土台
別に、仲良しチームでなくていい。嫌われてもいい。どうせ異動したら会わなくてもいいんだし、と割り切っていいと言うのが、アドラーの課題の分離のようで、腹落ちしました。
・なぜ反対意見を聞くのか
・リーダーの新聞の読み方
・部外者だから変えられることがある
など、大阪府知事、大阪市長として、これまで出来ていなかった数々のことを実現できた、橋下徹さんならではのリーダーシップ論を知ることが出来ます。
会社のトップだけでなく、
中間管理職
チームリーダー
メンバーを引っ張る立場の方なら読んでおいて損はないと思います。
Posted by ブクログ
リーダーの役割は「部下ができないこと」をやり遂げること
リーダーに必要なものは、
友人関係のような人間関係ではなく、「仕事をやり遂げた」ことへの信頼関係
リーダーは力を誇示する必要は無い
→持っているんだから
鄧小平
韜光養晦(とうこうようかい) 1990年代に最高指導者、トウ小平氏が強調した「才能を隠して、内に力を蓄える」という中国の外交・安保の方針。
教育行政は知事の権限がほとんど及ばない分野
→地方教育行政法で政治が教育に介入できないようにブロックされている
人材登用に失敗はつきもの、適材適所を見抜くのは難しい
→ダメなら交代してもらう
→年上の部下の場合も同じ、ぶつかり合わず、最後は人事権を行使すればいい、と考えておく
■反対派を側に置く
→組織が猛反対する案は、言いたいことを思う存分言わせる、というマネジメントが重要。
→イエスマンばかりで固めない
→→ただし、最後は従うを守ってもらうこと
→自民党は党内で違う意見があっても「最後にはまとまろうね」が出来ている→民主党はできなくて離党した
◉王さんとか反対意見を言ってくれるのが良い
→反対意見を聞いた上での決定は、反対者の不満を和らげ、適度な修正がかかって、その後うまく行くことが多い
◉バンドとか夫婦も一緒だよな
■トップがやるべきことをやる
現場が解決できることは現場にやらせる
→現場の声を調和させることも大事だが、その調整役は課長くらいに担ってもらう
リーダーは、決断、判断、決定
現場はオペレーション(実務)
が主な仕事
→リーダーが現場の実務の細かなことに口出しをすると、大概失敗する
★nkdさん
現場における実務上の問題点というものは、探せば山ほど出てくる
→細かい問題点を指摘し始めたらきりが無い
→問題解決は現場に任せるべき
→現場が気づいてない大きな問題点を探り出して、
■リーダーの勉強の仕方
1ページ目から本を読む必要はない
「何が問題か」を探り出す目的で該当箇所を読んでいく
常に持論を持つよう頭の体操をしておく
■リーダーは絶対的に正しい決定をするというよりも、誰もが決められない問題について「決めるということが役割
リーダーがやるべきことは、組織に正しい解を見つけさせる努力を促し
自らの所まで来た案件については、
絶対的に正しい解を見つけ出すというよりも、決断をして責任を取ることです
→★★★とても良いことを言っている。こうあるべき。組織も安心感を持って仕事に当たれる。
■リーダーは部下ができないことを最初にやる
→★上司がきた時もスライドをパッと作った時ちょっと驚いた。部下も最初は上司のレベルを見ている、あれが大事。
部下が付いてくる最大の理由は「共感力」
■逆張りの法則
工場を誘致しなくても、ヒトモノカネ情報を通過させるだけで都市は発展できる
→通過するごとに経済的な付加価値が生まれ、そこにまたヒトモノカネ情報が集まってくる
→金融都市も同じ
日本の人口
江戸時代の終わり 3300万人
→明治大正昭和の130年間
→人口12800万人
人
人は増えない→外国人観光客を集める
モノ
→多さを経由して輸出する
現代社会では付加価値が重要
ミクロの金属部品を作る技術が痛くない注射針に転用された
→医療の領域で付加価値を高めた
★c社の技術をa社が高めた
中継都市、付加価値都市の方向性
→トップが出したのはこの2つのみ。細かい部分は捨象する
リーダは道しるべになり、チームが実際に動く際の原動力となる方針を作り上げること
→細かすぎる指示をリーダーが出すと現場が身動きが取れなくなってしまう
橋下さんがやっていること
毎日、主要な新聞互紙を読み、様々なニュースに対し「自分はこう考える」という持論を頭の中で構築する作業をしている
→★なかなかできない。できないのは知らないことが多いから、もっと話そう
単に物知りになるのではなく、課題を探り、自分の意見を言えるようにする
たんニュースを見るのだはなく、そこから、課題、論点を見つけるのが大事
こういう事件がありました
→裏側にはこういう事実がある
→これはアナウンサーや単純なコメンテーターの役割
ダメな記事
→事実や経緯のみ
→最後に、「これらは非常に複雑な問題だ」「今後の推移注視していくべきだ」と書いてあるやつ。専門家なのに見解を何も言ってない
→★コメンテーターもやもやの正体はこれか。
細かいことは現場でないと決められない
→現場に裁量を与えてあげることが大事
■トランプの凄さ
指示が明確
規制緩和について
1つ規制を作ったら、2つ規制を緩和しろ
という指示を出した
→これによって6000もの規制緩和が実施された
■原発について
1970年から始まった原発の
使用済み核燃料の最終処分場は今も決まっていない!
→40年かけて決められないなら今更決めるのは無理
→縮小しかない
どうやるか?
→安全基準審査を厳しくしていけば、商用の原発は自ずとフェードアウトしていくはず
→即時ゼロは無理
実行プランはなくてはだめ!
→代替エネルギーもないのに即時原発ゼロなど
→イギリスEU離脱や普天間の辺野古移設と同じになる
■ビジョンと組織体制作りはワンセット
・大きな方針を決める(設計?要件?)
・実行プランを作る(ソフトウェア)
・組織(ハードウエア)→コンサルの提案書にはこれが抜けている?
★前職の会社はまさにこれ、今まで新規システムの立ち上げなんてやったこともない人たちを集めて、「やれ」と言ってもうまくいくはずなかった
チームを作るのは
人を集めるだけではだめ
→その中で決定権者・権限者を決めておかねばならない
→→話がまとまらなくなる
→→まとまらなかった時最後はこの人の決定に従うということを決めておく
★一般論としてシステム開発で
お客さんは本当に決めない。責任が伴うから
名ばかりの役職のみんな横並びではなにも実行できないダメチームになってしまう
→コピーの裏紙を大切に使いましょう、というような誰も反対しないが、しょぼい改革案しかでない
★笑
プロジェクトチームと実行部隊はわけるべき
→指揮系統が混乱するから
・民主党の失敗例
マニフェスト=実行プランを政治家がした
→具体的なものなので、本来現場に作らせるべきだった
方針・ビジョン→リーダー・
政治家
と
実行プラン→現場・官僚
の違いをしっかりわける
→★コンサルとSI部隊
■比較優位で提案する
→一つの案のメリットデメリットだけを言ってはだめ、一つの案を作るなら、対極の案と、真ん中の案を作る
■通る提案は「比較優位のロジック」と「熱い想い」の合わせ技
■部分最適だけで考えていては案は通らない
→トップは全体最適で考える
■仕事というのは、いかに想像力をは足らなせられるかが、出来不出来を決める
→★目の前のことやお金のことだけしか見ていない人がいる。人当たりが良く行動力があるので、やっていけるが多分想像力が、たりない
想像力がないと後手後手になる
→これは自分がの課題
→sさんはできている
想像力を働かせる人は仕事がうまくいき
みんなにも認められる
→ただ無駄になる努力を惜しまずにできるかどうか
→無駄になるかもしれない準備を完璧にしておく
→→織田信長に認められた豊臣秀吉のように
■メールで自分の考え、指示の出し方、思考方法を組織に浸透させた
→現場の人も知事の考えを予測する
→★なるほど、これはteamsなどでやっていこう
忖度は悪いものか?(森友、加計)
→巨大な組織になるほど、トップの意向を組織が忖度する必要性が高まる
→忖度が全くなければ、トップはありとあらゆる事項について指示を出さなければならなくなります。
→組織が回らない
→トップの意向を忖度しながら、組織が自発的に動いていく。これが組織運営の原則。
夜中の空いた時間にほぼ毎日送る、ということを習慣にしていた。
■情報共有の重要性
大阪府の財政の火の車状態を官僚は誰も知らなかった
→組織に情報が共有されてないことはリスク
■縦割りは必要
権限と責任の所在を決めることは大事
→縦割りの弊害が出るのは、横の連携ができていない時
→横の情報共有を行う
■ブレグジットの問題点
実行プランがないまま先に国民投票してしまった
→キャメロンはまさか、離脱が選ばれるとは思ってなかった
→EU離脱派を、諌めるため残留の結果をちらつかせようとしたら、まさかの結果となった。だから実行プランもなし。
■実行プランの大切さ
提案書やレポートは
家を建てる時の完成予想イラスト図のようなもの
実際にその家を建てるとなると詳細な設計図が必要になってくる
→これこそが実行プラン
■方針・戦略・実行プランと組織体制のワンセットが必要
デモを否定しないが
一万くらいの人のデモで国の方針が決まってしまったらそれこそ非民主主義
Posted by ブクログ
私の事業もビジョン、戦略(抽象)は描かれるのだが、実行プラン(具体)がなかったり、弱かったりで、完遂する事が出来ない場合が多い。実行プランがが無いとPDCAが回せないので、その戦略の妥当性を測ることさえできないのだ。要は実行プランがない戦略など紙クズ同然ということ。
好き嫌いはあるだろうが、この人の頭の回転の速さ、決断力、そして実行力は今の日本政府が待ち望んでいるリーダー像だと思う。
Posted by ブクログ
2021/08/14
行列時代からガラリと変わり、現在ではコメンテーターとして政治に対して意見を述べたりする立場になられた橋下さんのシリーズ作(…?)
何となーく一般人の立場からは「橋下徹さんは弁護士から政界に進出して大阪都構想を全面に出して、府知事、市長をやってて色々な人とバトルしてるなー」って印象しか持っていなかったのですが、この本を読んで印象が変わりました。
もともとマスコミ相手の会見の動画とかもたくさん見てて、元弁護士だからか分からないけど説明が分かりやすいし、主張も論理もはっきり明確で聞いていてすごいなーと思っていました。そんな橋下さんが書いた本の中には、タイトルの「実行力」に表れているように、意見を言うだけではなく、変えたり実行に移すことの大切さ、困難さ、橋下さんがどういう考えで大阪を動かそうとしていたのか、どういう視点で改革をしていたのかというノウハウがぎゅっと詰まっている一冊だと思います。
組織づくり、実行プロセス、比較優位の原則、悪い忖度と良い忖度の違いなどなど…公務員で長らくその世界にいては見えてこない視点を橋下さんは数多くもたらしたのではないかと思いました。
環境に慣れることは大事だけど、慣れから生じる無駄な慣習、慣例は無くしていきたいものです。
そのためにどうするか、理想を言うだけじゃなくて、プラン立てをして実行に移すことが変化をもたらすのに大切なんだと思いました。
またこの本を読んで、大阪維新の会とか大阪都構想とか、今までぼんやりと報道でしか知らなかった大阪の政治のことについても分かったので、その点も合わせて良かったと思います。
Posted by ブクログ
とても面白かった。テレビで観る橋下氏のイメージ通りの内容。ズバッと本質を突く。
繰り返し出てきた言葉は、「反対意見は徹底的に出してもらい議論する。ただし最終的に決まったことには従ってもらう」ということ。これが成り立たないと組織は回らない。
決まったことに従わない人は人事権を行使して遠くへ飛ばせばいいので、人材登用も過度にストレスにならなくて済む。
また、「仕事を成し遂げること」が信頼関係の土台にあるとも。部下との人間関係は難しいと割りきる。飲み食いや旅行といった友人のような関係でなく、 仕事をやり遂げたことへの信頼関係が必要だと。その上での食事云々なのだと。
組織のリーダーは、部下ができないことをやる。それは決断すること。方向性を決めること。
部下達が決められない難しい問題が、1日に何件も、知事である橋下氏のところへ上がってくる。優秀な部下が決められないのだから、逆に言えばどちらを選んでも大差ないということ。そこで決めるのがリーダー。正しいかどうかなんて分からない。でも先延ばししたり、部下に決めさせたりしない。最後はリーダーが責任をとる。
第5章 上司を動かし提案を通す、も面白かった。提案するときはA案B案C案の3つを作る。AとBは真逆、Cは中間の案。それぞれのメリットとデメリットを示す。上司は比較優位の案を選択する。つまり、よりましな方の問題点には目をつぶるということ。
真逆の案を作れというのは、人間はどうしても自分の推したい案を優先させてしまうから。公平中立に考えなければだめ。真逆を考えてみたら、意外と良かったなんてこともある。
比較優位で考えないと、ダメ出し人間で終わってしまう。よりましな方を選んだら、ある程度の問題点には目をつぶり、問題が起きないように対処していくしかない。
Posted by ブクログ
リーダーがどんなことをしているか、自分がリーダーシップをとる際に何に留意すべきか、どちらを考える上でも参考になるポイントが多い。
橋下さんが大阪府知事・市長時代にどのようにして難しい問題に取り組んできたかの具体例を交えながら説明されており、難しいことは書かれていないため本としても読みやすかった。
Posted by ブクログ
現在ある製品の品質改善プロジェクトに入っていますが、この本に書いてある失敗する組織そのものです。
まず第一に明快なビジョンもなく、そこには、当たり障りのない具体性に欠ける目標しかなく、それをどう捉えてどこまでやるかは現場任せ。第二に色々な部署から人を出してもらい、チームを作って、はい終わりです。決定者や権限者の設定が曖昧で、みんな言うことを聞かなかったり、権限者に聞いても困るだろうなと言うことで、現場で判断し、こじんまりとした対策しかできない。
まさしくこの本に書いてある通りで、ゾッとしました。この本を参考に一度組織の見直し、権限者の再設定を進めるべきだと感じそれを実行していきたいと思いました。
都構想の住民投票までの流れは、橋下さんがビジョンだけでなく実行プランも準備し、政治的な判断も実行の上で、政治生命をかけ、勝負しに行ったが、時の運もあり、僅差で負け、その後けじめで政治生命を断つまでのストーリーは、まるで幕末の日本の改革維新を彷彿とさせる内容で、読み物としても感動しました。
組織で働く人には、是非一読をお勧めしたい一冊です。
Posted by ブクログ
目の前の仕事をやりぬけ。実行しろ。それが信頼となり、良好な人間関係につながる。本書は、橋下徹氏が政治家・弁護士としての経験をもとに「実行する力」の重要性を説いた一冊である。アイデアやビジョンを持つだけではなく、「どう実行するのか?」を考え、実行することこそが組織を動かし、社会を変える力となる。
●反対意見との向き合い方
組織が猛反対する案こそ、しっかり意見を言わせることが重要。反対派が十分に意見を述べることで、「これだけ言ったのに決まってしまったなら仕方がない」と、ある意味で諦める構造を作る。全員の合意を前提とすると、かえって反対意見が出にくくなる。なぜなら、自分の反対が決定を遅らせることを嫌がるためだ。
むしろ、決定権と責任を明確化することで、反対意見は出やすくなり、多様な意見を取り入れることができる。一見、強権的な意思決定に見えるかもしれないが、これは組織が前進するために必要な仕組みである。
●リーダーの役割と決断力
リーダーに求められるのは、決断力と責任を取る覚悟である。リーダーの役割は、①部下が気づいていない課題を見つけること、②物事を「決めて」責任を取ることである。また、リーダー直下に「トップ2」のような存在を置き、現場の意見を調整させることが重要。
細かい実務には介入せず、判断基準を明確に持つことが大切だ。専門知識は不要だが、問題点を把握し、総合的な判断を下す知識と視座が必要。そして、最終決定がリーダーまで上がってくる案件は、どちらに転んでもメリット・デメリットがあるものばかり。ならばスピード重視で決断し、責任を取ることが肝要だ。失敗しても死ぬわけではないのだから。
●部下をやる気にさせるには「衝撃」と「成功体験」
組織は口で言っても動かない。だが、何かを実現させるとメンバーの意識は劇的に変わる。「できない」と思われていたことが「できる」に変わると、組織にエンジンがかかる。つまり、リーダーの役割は「できる」と思い込ませ、成功体験を作り、部下をやる気にさせることにある。
例として、大阪城公園のPFI事業、レッドブルによるモトクロス競技大会の誘致、地方負担金改革など、実際に「成功」を見せることで組織の意識を変えた事例が挙げられている。
●トランプ大統領の実行力に学ぶ
トランプ大統領のリーダーシップは、「明確なビジョン」と「実行プランのセット」が強みだった。A4 1枚にまとめられたビジョンをもとにホワイトハウスが動く。また、「1つの規制を作るなら、2つの規制を緩和せよ」というシンプルで分かりやすい方針を打ち出し、実行を重視した。
この実行力の高さは、ビジョンだけではなく、具体的な実行プラン(工程表)と実行組織を必ずセットで準備することによって支えられている。「理想像は分かった。それで、どのように実行するの?」と問われたときに、明確に答えられることが実行力の本質である。
●上司への説明と意思決定
稟議や提案は、A4 1〜2枚で要点をまとめること。多くの資料を回覧する場合は、各稟議先ごとに「どこを見てほしいか」を明確にする。
また、採用されやすい提案には、「比較優位」×「熱い想い」×「高い視座」がある。「比較優位」とは、新案のメリット・デメリットの比較ではなく、現状との比較や、新案同士の比較を行うこと。現状を放置するよりも、新案を採用する方が「理にかなっている」と納得させることが重要だ。
●人間の真理とリーダーの視座
物事の見え方は、所属している●組織やポジションに規定されてしまう。これは橋下氏自身が府知事・市長を経験したことで、視点が大きく変わったことから導き出された結論である。
だからこそ、リーダーには「視座を拡げるマインドセット」が求められる。組織内の狭い視点に縛られず、より広い視野で物事を捉えることで、実行すべきことが見えてくるのだ。
●まとめ
✅ 反対意見は徹底的に言わせ、「諦める構造」を作ることで組織を前進させる
✅ リーダーの役割は「決断」と「責任を取ること」。実務には介入せず、判断基準を明確に
✅ 組織を動かすには「衝撃」と「成功体験」が必要。マインドセットでやる気を引き出す
✅ ビジョンだけではなく、実行プラン(工程表)と実行組織のセットが必須
✅ 稟議はA4 1〜2枚で簡潔に。「比較優位 × 熱意 × 高い視座」を意識
✅ 物事の見え方はポジションによって変わる。リーダーは視座を広げ続けることが大事
本書は、リーダーシップや組織運営に関する「実践的なノウハウ」が詰まっており、ビジネスパーソンはもちろん、組織を動かす立場にいる人なら必読の一冊である。
「実行力」こそが、信頼となり、組織を前進させる力になる。理想や計画だけではなく、「どう実行するのか?」を常に考え、行動し続けることが何よりも重要なのだ。
Posted by ブクログ
仮想の利益。先行して譲歩し、交渉を有利に進める。ヘロヘロ作戦(相手が疲れて折れるまで論じ倒す)。後半の実際に橋下氏が経験した具体的な話からその時にどう考え、どう行動したかをトレースできるところは本書の価値の一つ。交渉屋として幾多のタフな交渉と実行の場数を踏んできているだけに説得力があった。交渉は絶対に譲れない点と譲歩できる点を線引きし、互いの妥協点を探るべく事前に用意した交渉のカードを切っていく作業。
Posted by ブクログ
組織のマネジメントの仕方や、リーダーの在り方など。大阪府知事・市長を経験したからこそ現場の現状がわかる。
後半は大阪都構想の話で興味深い。
ニュースに対して持論を構築していく作業を今でも行なっているのは、真似をしようと思った。
Posted by ブクログ
橋下徹氏は、大阪府知事、大阪市長として巨大な組織を動かして、大阪を改革してきた。改革には、妄想だけでなく多くの実行力あるプランが必要になる。それを調整しまとめる作業には多大な労力と時間を費やすので、「実行部隊」の選抜もとても重要な要素になる。
組織においての物の決め方、リーダーシップの発揮の仕方など、橋下氏の経験と記録をもとにして書かれている。
具体例が多く分かりやすいのだが、ポイントがもう少し絞られていると読みやすいと思う。
Posted by ブクログ
本のうち最初の4/5くらいはとても有益な内容だった。
橋本さんが政治家(大阪府知事、大阪市長)として今まで行った政策(主に大阪都構想)や組織のまとめ方、人間関係の作り方などの具体例を挙げながら『実行力』についての説明があった為、とても分かりやすかった。
しかし、最後の1/5くらいは今の政治の愚痴のようなものが多かったため、文字に目は通したが、読むのが億劫になってしまった。
Posted by ブクログ
【大阪都構想】
この頃大阪に進んでて確固たる理由なく賛成票を入れたが、今里筋線と阪急線の話を理解していればもっと賛成だったと思う。
【比較優位】
何もしない場合のメリット、デメリットを出して比較するのは仕事でもなんでも大事と痛感
橋下さん頭いいし実行力あるけど、ここに佐久間さんみたいな柔らかさがあったら最強だったのでは。
Posted by ブクログ
実際に既成の組織と闘ってきた橋下徹氏の、リーダーや組織論をまとめたもの。
弁護士から政治家となり、大阪府知事、大阪市長を経て、いかに大阪を改善してきたか、大阪都構想に実現可能なものとして作り上げてきたかが、具体的なため非常に勉強になる。果たしてここまで橋下氏を動かすものとなったのは、タイミングやら人との出会いやらも勿論あるのであろうが、何なのか、本書にはあまり描かれていないだけに非常に興味深くなる。
リーダーが力を発揮するのには、組織に規定されるということや、物事を為すにはビジョンだけでなく、実行プランを作る組織体制の整理・整備化が必須ということは、まさに何事かをするには人の力を集約しなければならず、それにはその体制が必要で正しい方向へとリーダーが引っ張るなり、導かなければならないことを改めて知らされた。
それにしても橋下氏でも大阪都構想が住民投票で敗北してしまったために、もはや再燃はないのか?
Posted by ブクログ
かなり改革よりだがリーダーに必要な質を的確に明確に示している。批評家をめちゃくちゃ実名で批判しているところも面白い。大阪都構想のための実行力が細かく描かれ、ものすごい戦略家だと感じた。参考になるがタイプが違いすぎるので4にした。
Posted by ブクログ
橋下流組織論です。
それがよかったかどうかの評価は別にして、結果は残してきた人だけに、自分のやりたい事業を円滑に進めていく組織作りは納得はできる。
民主党がうまくいかなかった分析など、的を得ているなと思うところは多かった。
それにしても、実行力というか、行動力は素直に尊敬に値します。
Posted by ブクログ
出張(大阪)の合間に駅構内にあったので、購入。
市長時代の話、話しの持って行き方など非常に勉強になりました。
個人的には良い本だと思います。
Posted by ブクログ
リーダーは割り箸理論で考える。
※要はメンバーがあぁでもないこうでもないを必死に考えたからどっちにこけてもしょうがない。
ニュースから持論を出す。
リーダーはメンバーが出来ないことをやる。
上の目線は解らないのでひたすら想像力を働かせる。
プランA、B、Cのメリデメでそこから妥協できるポイントを探る。
橋下さんの考え方すごい惹かれるし、個人的にはどの組織にも共通して必要な考え方だと思います。
Posted by ブクログ
■読書の目的
自身のリーダースキル向上として、何か参考になるノウハウがあれば取り入れたい
■所感
・管理職側の視点がある部分もありますが、そうでないリーダー的な立場でも参考になる部分は多々
・具体例が良いタイミングで出されるので分かりやすい
橋下さんの声が聞こえてきました
一人で仕事をしています。本社には上席、部下がおりますが遠方のため電話でのやり取りが主です。そんな状況なので、何が正しくて何が間違っているのかフラフラすることがあります。読み進めていくうちに、正しかったんだ!もっといいやり方あったんだ。。など気が付きを教えてくださいました。持ち歩けるダウンロード版なので、迷ったときに読み返したいと思います。橋下さん政界にもどらないかなぁ。日本を変えてほしい。
Posted by ブクログ
橋下さんの大阪府知事、市長時代のレベルの高い実行力事例をベースに語られる著書。後半は特に大阪都構想の政治的な話、後悔の念が強く、ややお腹いっぱいになったが、
普段コメンテーターとして歯に衣着せぬ切れ味のある発言の裏側、仕事における実行力を想像させるに足るマインドが詰まっていた。
目に留まった内容
p.58リーダーの仕事は、部下が気づかない大きな問題点を見つけること
p.120僕は毎日、主要な新聞五紙などを読み、様々なニュースに対して、「自分はこう考える」という持論を頭の中で構築する作業をしています。
p.144チーム作りにおける「失敗の本質」
強い決定権者が存在しないチームを作っても、物事は大胆に動きません。
p.185トップは、比較優位がパッと分かる資料が欲しい
→まず自分の考える案と、その真逆の案、そして両者の中間の案の三つを意図的に比較
Posted by ブクログ
決断力を先に読んでからの本著でした。橋下さんの文章力が決断力では、より成長されていたのか、決断力を読んだ時ほど共感しませんでした。少し、都構想の悔恨の念が表出し過ぎでは。
Posted by ブクログ
・「道を開くには行動しかありません。目の前の階段を上がり続けるしか無いのです。」-p109
・比較優位ー豊洲の下水でベンゼン検出。なら、築地の下水はどうだったの?
▶︎新たな試みは、現状を変える為に出てきた。よって、その試みの欠点を探すのではなく、現状と比べて議論すべし。
つまり、現状と試みのデメリットを比べるべし。
・相手の目線を想像しろ。
ex)小泉総理はA4で2枚までしか読まない
▶︎決定権限者は一つの問題にA4を何枚も読む時間が無い
・いい資料
「この観点ならA案が比較優位」、「この観点ならB案の方が優位」など
▶︎自分の考える案と、その真逆の案、そして両者の中間の案の三つを意図的に比較した資料が求められる。
・「国である中央政府があらゆる仕事を抱え込み、それらすべてが国会で議論される。しかし、島国日本の首相だからこそ、年間100日以上は外国に行ける様な環境にしなければなりません。その為には、中央政府が抱えている仕事のうち、内政問題は出来る限り地方自治体に委譲する必要があります。」p264
・「明治維新の廃藩置県に匹敵する廃県置州を断行すべきだと思います。」ーp265