あらすじ
県警本部捜査一課・秋月春風(あきづきはると)巡査部長。生後三ヶ月になる可愛い息子・蓮(れん)くんのため、刑事としては初めての“育休”に挑戦中――。
七キロの蓮くんと大きい赤ちゃん用バッグを抱え外出するのに慣れた頃、ひょんなことから質屋強盗殺人事件の人質になってしまう。だが蓮くんのウンチやミルクの時間は事件とお構いなしにやってきて。果たして無事に生還できるのか?! (「人質は寝返りをする」)
六ヶ月になった蓮くんを連れて実家からの帰り道、春風は高速道路で特徴的なラッピングカーを目にする。その模様は乗車に疲れぐずる蓮くんをひと時ご機嫌にしてくれたが、知らず知らずのうちに犯罪のアリバイ作りに協力してしまうことに。(「瞬間移動のはずがない」)
県警本部庁舎に不審物が届けられた。それは最近刑務所から出所したある人物からの、復讐予告。春風はある晴れた休日の昼下がり、家族連れで賑わうショッピングモールに出かけた。姉に蓮くんをあずけ、久しぶりにデート気分を味わうはずだったが。(「お外に出たらご挨拶」)
母性神話、育児放棄、DV、親権争い、乳幼児突然死症候群……現代社会の育児における様々な歪みや問題点を、軽やかかつ徹底的にミステリとして描ききった著者渾身の代表作。
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Posted by ブクログ
ちょうど育児中なので、わかるわと共感しながら読んだ。意外とディープというか、今の日本の育児の問題について書いてある。
最初の話でSIDSの話が出たので、しばらく辛くて読めなくなってしまった。必要以上に感情移入をしてしまった。
最後は読んでいてドキドキしながら早足で読み終えてしまった。続きが気になって仕方なかった。
あの展開はとても好きである。大変大好物だ。面白くて奇声を上げてしまった。勘違いしていたので、正解が分かった時に、今までのストーリーが正しい映像で脳内に流れる。そんなことってある?え?あのシーンは、こうなの?!と思いながら、すごく好きーーーとなった。
Posted by ブクログ
育児休暇中の県警本部捜査一課、秋月巡査部長。
ゴツい男子ながら、家事と育児に奮闘する日々。
ようやく首の座った愛息子、蓮くんを抱っこ紐で抱えて、トラブルメーカーの姉とうっかり行動を共にしたとたん。
質屋で強盗事件に巻き込まれ、実家からの帰宅の渋滞の最中、加害者らしき車の目撃者となり。
県警庁舎に届けられた復讐予告は一般市民も巻き込むもので。
育児休暇中なのにズルズルと仕事に引っ張り出される主人公。
ムチムチぷにぷにの蓮くんの描写が可愛くて。
育児スイッチ入れてくるなあ!
狙い通り、育児に対する今の日本の姿がリアル。
ママがフルタイムで働いてるのは可哀想ってなんなんだー!!とつい、記憶を掘り起こしてモヤモヤ。
子連れ移動中って話しかけてくれる中高年女性は多いけど、ベビーカーを持ち上げたりと親切なのは意外に若い男性がばかりだったな。と思い出したり。
はじめての育児に奮闘するハルくんに自分をかさねて、改めてチビちゃんが可愛くて仕方がなくなる。
夜中の長泣き、「真夜中のギター」をエンドレスで歌ったっけ。
早々に展開は読めてしまう。仕方なし。
事件解決も楽しかったけど、育児あるあるの方が印象に残ってしまった。